2才児用高タンパク質作り置きおやつ
1歳半〜2歳児が食べやすい高栄養なおやつが開発できましたので、レシピを共有します。実質「幼児向けプロテインバー」になっています。
うちの子はあんこ味が大好きなのであんこ味のレシピを記載します。
1. 材料
ぐんぐん(フォローアップミルク) 30g
ホエイプロテインパウダー 7g
タピオカ粉 26g
白玉粉 16g
乾燥おからパウダー 6g
砂糖 20g
塩 小さじ1/8
粉ゼラチン 小さじ1/2
チューブマーガリン 3g
あんこ 40g
水 65ml
なお、材料のg数が微妙なのは、それぞれの粉を特定のスプーン(ウィダーのマッスルフィットプロテインについてくる黄色いスプーン)で測量しているためです。
2. 作り方
- 上記の材料をすべて混ぜてよく練ります。
- 混ぜてできたものを、シリコンの型に流し込みます。
- フライパンに1cmくらい水を張ります。
- フライパンの中にいい感じの土台を入れ、その上にシリコン型を置きます。
- 15分ほど中火で加熱します。
- 15分経ったらフライパンから取り出します。
- 型をひっくり返して中身を取り出します。
- 手に持ちやすいサイズに切り分けます。
- できたては熱いので、少し冷ましてからあげましょう。
3. 特徴
- 冷めてから食べても美味しい→朝作ってからお昼食べたりしても美味しく食べられる。外出時のおやつとして持参しやすい。お弁当にしても可。
- チューブマーガリン、あんこ以外はほとんど粉ものでできており、保存性が高い材料で作れる。
- 卵、小麦不使用のため、アレルギーにも対応。
- おからを入れることで、食物繊維やソイプロテインも摂取できる。また、おからが入ることで餅の膨らみを維持しべちゃっと潰れないようになっている。
- 携帯食料としても利用可能。
- まとまりがあり、崩れにくく、こぼれにくい→車の中で食べても車内を散らかさない
- 餅でできているが、タピオカ粉やおからパウダーのおかげで歯切れがよく喉に張り付きにくい→小さい子でも比較的噛み切りやすく飲み込みやすい。
- 実質「子ども用プロテインバー」
- ゼラチンを入れることで、さらにまとまりが良くシリコンからの剥がれがよくなっている。(なくても作れるがややべたつきやすい)
- タピオカ粉のみ、白玉粉のみでも作れますが、小さい子が食べるならタピオカ粉のみに置き換えることを推奨します。(白玉粉はやや伸びる性質があるため)
4. 栄養価
このレシピで作ったあんこ蒸し餅の栄養価を、1-2歳に必要な1日あたりの栄養価の割合で見てみますと、以下のようになります。
- エネルギー:430kcal, 1日分の45%
- タンパク質:12g, 1日分の60%
- ビタミンB群:1日分の30〜40%
- ビタミンC:43%
- ビタミンA:27%
- ビタミンD:75%
- ビタミンE:51%
- ビタミンK:10%
- 葉酸37%
- 鉄:7g, 40%
アンパンマンウインナーが1本あたりタンパク質1.3gなので、このあんこ蒸し餅をすべて食べきり、そしてアンパンマンウインナーを6本も食べると、その日のたんぱく質量はほぼ推奨量100%(約20g)になります。
ほかのおかずとの兼ね合いや、主食をどれくらい食べるかにもよりますが、このあんこ蒸し餅を食べた日は主食控えめにしておかず多めにする、などのバランスを取るとよいと思います。
5. レシピ開発のきっかけ
詳細はこちらにまとまっています。
材料の検討についてはこちら。
この時点と比較すると、今回のレシピはやや材料比が変化しています。
プロテインパウダーを使用してる理由についてはこちらをご参照ください。
6. プロテインバーとして
大人用のプロテインバーは、1つあたりおおよそ10g〜15g、多いもので20gほど摂取できるものが多いです。
成人の体重を約60kgと仮定すると、必要なタンパク質摂取量は1kgあたり1gとされておりますので、60g/日が必要ということになりますね。
そうすると、10gのプロテインバーであれば、1日分の17%を、20gのプロテインバーなら33%のたんぱく質をカバーしてくれるというわけです。
今回のレシピで作れるあんこ蒸し餅は、これ1つで1-2歳児の1日分のたんぱく質60%をカバーしています。なので、これで1食分にするとやや多めになりそうですが、2回に分けて食べるとちょうどよい程度になると思います。
我が家でもこれをいっぺんに食べきるのではなく、ひとまず作っておいて、あとで散歩に出かけるタイミングで持っていったり、保育園のお迎えのときに持参したりなど、分散して食べています。
味としてはなかなか美味しく、大人もパクパク食べられます。なので子供が成長してきたときのおやつのレパートリーとして持っておくと、栄養もカバーしながらおやつを楽しめると思います。
タピオカ粉、白玉粉の比較実験
今回は、「小麦と卵のアレルギーがあり小麦粉が使えない子供のために、代わりとして使いやすい粉はなにか」について実験を行った話をまとめました。
結論としては「食感の好みと入手難易度と値段で選んで良いんじゃない?」ということになりそうです。なお私はタピオカ粉が好きです。
これまでの経緯についてはこちらをご参照ください。
日持ちするレシピが必要となった経緯について、と、デンプンの性質についての話
1. 実験の背景
冷めても美味しい蒸しパンのレシピを開発するにあたって、試行錯誤を重ねる中で、「もしかしてタピオカ粉100%のほうが美味しいのでは?」という可能性に行き着きました。
しかしながらこれはレシピ開発中の試行錯誤の中で観測したものだったので、今回は改めて(ほぼ)同一条件で作成しなおし、粉ごとによる性質の違いを並べて比較し再検証することにしました。
なお、白玉粉、タピオカでん粉のどちらもベーキングパウダーを加えたときのほうが食味が悪かったので、今回はどちらもベーキングパウダーを加えずに作成しました。粉が異なっていること以外、ほかの材料は(ほぼ)同一条件で蒸しパンを調理しています。
2. 実験の材料
以下の2種類の蒸しパン生地を用意し、シリコン型に入れ15分間蒸して調理しました。
なお、実際の調理の手間を考え、実際の計測はg単位ではなく「スプーン単位」で計測を行っています。そのため、タピオカ粉と白玉粉の重量は同一となっていません(白玉粉のほうが密度が高いため)。
また白玉粉の重量が多いことに対応するため、タピオカ粉のレシピよりも+5ml水を多くしてあります。
(A)タピオカ粉レシピ
ぐんぐん(フォローアップミルク) 30g
ホエイプロテイン 7g
タピオカ粉 40g
ドライおからパウダー 6g
砂糖 25g
塩 小さじ1/8
チューブマーガリン 3g
あん 40g
水 60ml
(B)白玉粉レシピ
ぐんぐん(フォローアップミルク) 30g
ホエイプロテイン 7g
白玉粉 49g
ドライおからパウダー 6g
砂糖 25g
塩 小さじ1/8
チューブマーガリン 3g
あん 40g
水 60ml+5ml
材料にホエイプロテインを使用していることについては、こちらの記事をご参照ください。
3. 蒸しパンの比較
(1)調理前
白玉粉の密度が高いことにより、水を5ml多く加えていましたが、それでもなお白玉粉レシピのほうが、混ぜる際にやや固い感触がありました。
(2)調理直後の仕上がり
調理直後、シリコン型から剥がす際の時点で、以下のような違いがみられました。
(A)タピオカ粉:シリコン型に付着が強く、一部付着が残る。
(B)白玉粉:シリコン型からの剥がれがよい。
加えて、白玉粉のほうが「米くささ」が強く、合わせる味によっては相性がわるい場合も考えられました。
また、実際にフォークで切ってみたところ、タピオカ粉のほうがやや強い抵抗感が得られました。
実際に食べた食感については、
(A)タピオカ粉
:ある程度柔らかさがあり、伸びはない。口の中で噛みちぎれるが、その際にもちもちとした食感が得られる。パサツキやボソボソとした食感は無い。口の中でバラバラになる感じはない。舌触りはしっとりしている。
(B)白玉粉
:ほどよい硬さがあり、噛み切ったときの歯切れが良い。タピオカ粉に比べもちもちとした食感は比較的少ない。
といった違いがありました。
(3)調理から1時間後
(A)タピオカ粉
:調理直後と比較して、さらに弾力が増す。もちもちとした食感が強まる。ボソボソしたり崩れたりする様子はない。ベタつくような粘り気はない。
(B)白玉粉
:歯切れの感覚はタピオカ粉よりも少しだけ柔らかい。ただし調理直後よりも粘り気が出てくる。噛んでいると歯に付着するようなベタベタ感。全体のまとまりはよい。
白玉粉の食感についてはいい表現が思いつかないのですが、青森県民としては「ねかねかする」という表現に近い食感をしています。キャラメルやソフトキャンディほどの粘着性ではないのですが、それの方向に近い付着感はあります。
個人的な好みの問題にはなりますが、タピオカ粉に関しては「冷めてからのほうがもちもちして美味しい」というくらい、もちもち度が増しています。この点については、作り置きして時間をかけて食べる、という本来の目的と合致していると考えます。
(4)調理から7時間後
(A)タピオカ粉
:1時間後とあまり差がない。歯切れがよく食べやすい。適度に弾力がある。ボロボロくずれる様子はない。押しつぶすと弾力により元の形に戻る。潰してもかけらがこぼれる様子はなく、まとまりがよい。
(B)白玉粉
:こちらも、1時間後とあまり差がない。「ねちっ」とした歯切れ感。とはいえ食べやすい範囲。こちらは押しつぶすと元に戻りにくく、凹んだままになる。しかし砕けてボロボロにくずれる様子はない。潰してもかけらがこぼれる様子はなく、まとまりはよい。
4. 食感の違いを生む理由についての考察
ここからは、今回の実験を行うにあたって調べた内容について記載していきます。
文献としては主にこちらを参考にしています。
でん粉は、そのできる環境によって地上(穀類)と地下(イモ類)の大きく2つに分けられるそうです。下記に、文献の内容について表形式でまとめたものを添付します。
今回使用した白玉粉はもち米からできているので「地上(穀類)デンプン」に、タピオカ粉はキャッサバからできているので「地下(イモ類)デンプン」に分類されます。この、「どこでできたデンプンか」という点は、老化のしやすさにも影響することについては、前回のブログ(「冷めてもしっとりふわもち」のための検討 - 子育て備忘録)でも言及しています。
3) アミロース含量
デンプンの成分としては、アミロペクチンよりアミロースのほうが老化しやすい。デンプンの種類としては、コーンスターチや小麦などの穀物系のデンプンのほうが、タピオカなどの芋系のデンプンに比べ、老化しやすい性質がある。
今回使用した白玉粉は、もち米からできているためアミロペクチン100%であり、アミロースを含まないため老化はしにくいのですが、アミロースを含んでいるはずのタピオカ粉が白玉粉と互角の食感を保っているのは、イモ類デンプンゆえの老化しにくさのためであると考えられます。
ちなみに、このような「地上/地下デンプンの老化のしやすさの違い」の原因としては、*1によりますと、地上(穀類)デンプンは、地下(イモ類)でん粉と比べると内部油脂含量が高いことも影響しているとのこと(p104)。
*2によると、米デンプンに含まれる脂質は、うるち米・もち米ともに1%前後なのだそう。
タピオカでん粉に含まれる内部油脂の正確なデータは得られませんでしたが、100gあたり0.2g*3というデータもあることから、そこから計算すると0.2%と推測されます。
そのため、おそらくタピオカ粉と同程度のアミロースが含まれている地上(穀類)デンプンを使用しても、同様の食感は得られないことが考えられます。
*4の図を下記に引用します。これはあくまで小麦粉に何のデンプンを足すとどう食感が変化するか、という図になります。しかしこれを参照すると、「タピオカでん粉では硬さは同程度で粘りが増す」「もち米デンプンでも粘りはやや増すが、柔らかくなる」といったことが読み取れます。
今回実験で作成した蒸しパンも、タピオカ粉のほうがより弾力があり、白玉粉のほうは弾力に乏しい食感がみられました。この違いが、上記における「硬さ」の指標に近いのかもしれません。
*5では、米粉どうしでの物性を比較しています。こちらを参照しますと、白玉粉の粘度は最大でも250RVU程度のようです。これは、砂糖を追加しても粘度に大きな変化はみられませんでした。またこの他に、白玉粉の特徴として、「柔らかく、凝集性は高い(=まとまりがよい)が付着性が低い(=ベタベタしない)」という特徴があるようです。
上記の「付着性の低さ」は、白玉粉蒸しパンをシリコン型から剥がす際に付着がなかったことからも裏付けられるかもしれません。また、凝集性の高さは「ねかねか」した食感につながっているかもしれません。
*6の方でも、もち米とうるち米の粘度を比較しています。もち粉と上新粉に相当する粉を使用して比較したようです。
※白玉粉はもち粉よりもやや精製されたものになります。
こちらの論文によると、もち米粉の粘度は最高で200BU程度、うるち米粉では800BU程度の粘度があったようです。この結果だけでは「うるち米のほうが粘りがある」ことになってしまうため、やや違和感があります。
しかしここから更に精製してデンプンの粒にまでしてしまうと、今度は逆にモチデンプンで420BU、ウルチデンプンでは160BUとなり、モチデンプンのほうが粘度が増したとのことです。
では、タピオカでん粉の粘度はどうかと言いますと、*7のp68のグラフによれば、タピオカでん粉は1000BU程度の粘度を持つそうです。片栗粉(=ばれいしょデンプン)は3000BU近くあるため、それに比べればさほど粘度が高くないようにもみえますが、それでもなかなかの値です。
↓こちらのページでも同じグラフを確認することができます。
またタピオカでん粉では砂糖を添加すると粘度が上がり、また冷却してもその粘度が失われにくいという性質もあります。(p83)これにより、糊化してから放置してもゲル化しにくい(p32)ことから、時間が経っても「もちもち」を維持できるのかもしれません。
上記の値については、同様の条件で実験を行っていないことから単純に数値の大小だけで比較することはできませんが、「実は白玉粉ってタピオカでん粉に比べたら粘度が低いのかも?」くらいのことは予想できそうですね。
「粘度」や「硬さ/やわらかさ」、「凝集性」や「付着性」といった指標が、実際の食感とどのように関連しているのかについての詳細は見つけられませんでしたが、これらの違いが今回のような食感の差を生み出したものと予想されます。
5. 値段
さて、持続性について考えるときの重要な要素として価格という問題があります。
ざっと調べた限りですが、白玉粉はその工程に一手間かかっている(水に漬ける→すりつぶす→搾る→晒して乾かす→砕く)こと、また穀類であることからやや高価な傾向があるようです。
その一方で、タピオカ粉はおおよそ片栗粉(ジャガイモデンプン)と同程度の価格で販売されています。GABANなら1kg 800円しないくらい。
理由は、タピオカ粉の原料となるキャッサバは東南アジアなどで多く作られていること、そして芋部分が大きくて収量も多く、かつデンプン以外の成分が少ないため、精製しやすいなどの理由から、比較的安価で販売されているようです。
6. 結論
実際に作ってみて思いましたが、どっちもそこそこ美味しかったです。どちらも7時間経ってからでもそれなりに美味しく食べられたことを考えると、作りおきの食料としてはかなり優秀なのではないでしょうか。
なので、どちらの粉を使用するのかについては、完全に食感の好みと粉の入手難易度や値段で選んでいいのでは?と思いました。
青森県 小麦・卵アレルギー対応 外食メモ
外食先として利用できるサービスをメモしておきます。
1. スプーンで食べられるくらい
(1)ガスト
キッズカレー、ねぎとろごはんなど。
低アレルゲン キッズカレープレート | キッズ/お子様メニュー | ガスト | すかいらーくグループ
低アレルゲン ねぎとろごはんプレート | キッズ/お子様メニュー | ガスト | すかいらーくグループ
※生魚は3歳以上のほうが良いかもしれません
[店舗]
弘前市:3店舗(駅前、城東、樋の口)
青森市:2店舗(新町、浜館)
五所川原市:1店舗
八戸市:2店舗(類家、沼館)
(2)ココス
低アレルゲンメニュー | ココス ファミリーレストラン [COCO'S]
ドリア、カレー、ハンバーグなど。
米粉パンやいちごアイスも選択できます。
[店舗]
https://as.chizumaru.com/cocos/articleList?account=cocos&accmd=0&adr=02&c1=30
弘前市:2店舗(茜町、高田)
五所川原市:1店舗
三沢市:1店舗
十和田市:1店舗
(3)びっくりドンキー
アレルギー対応ハンバーグとしては結構美味しいらしい?
[店舗]
青森市:3店舗(青森西、浜田、青森東)
八戸市:2店舗(城下、湊高台)
弘前市:1店舗
(4)CoCo壱番屋
特定原材料(7品目)を使用していないカレー(ライス100g) | ココイチのメニュー | カレーハウスCoCo壱番屋
食べる前までパウチで提供してくれるらしい。
青森市:1店舗
弘前市:1店舗
八戸市:1店舗
三沢市:1店舗
(5)吉野家
ただしカレーにはバナナの使用ありのため、うちの子は利用できず。
(6)すき家
アレルゲンは鶏肉のみ。店内調理器具共用。
(7)マクドナルド
サイドメニューのみ。
アレルギー検索 | メニュー情報 | 私たちの責任 | McDonald's Japan
卵・小麦不使用でテイクアウトしやすいものとしては、
- マックフライポテト
- ハッシュドポテト
- サイドサラダ
- えだまめコーン(3歳以上推奨)
- ヨーグルト
など。
なお、ポテトは専用のフライヤーで揚げているため、ポテト以外のアレルゲンと揚げ油が共有されていることは無いそうです。
揚げ油 | よくあるご質問 | McDonald's Japan
ドリンク系はだいたい大丈夫で、ジュース類はもちろん、マックシェイクも大丈夫。
[店舗]
青森県内には21店舗ある。
2. 手づかみ食べ、厚みのあるもののかじり取りができるくらい
(1)モスバーガー
低アレルゲンメニュー | メニュー | モスバーガー公式サイト
ポークサンド、ポークロールが選択可能。
ひとくちが大きくなってきた子供じゃないと難しいかも。
モスバーガーでは低アレルゲンメニューにもおもちゃがつけられるそうです。
また、マクドナルドのハッピーセットを買って、ハンバーガーをこちらの低アレルゲンバーガーにすり替える、という手段を取っている親御さんもいらっしゃるようです。
※ちなみに、モスバーガーのフライドポテトは卵・小麦と揚げ油の共有あり
アレルギー情報 | フレンチフライポテト | モスバーガー公式サイト
また、モスバーガーではデザート類も扱っています。
工場が共通のため厳密には低アレルゲンメニューではありませんが、材料には小麦・卵は含まれていません。
[店舗]
青森県内に13店舗
青森市:4店舗(佃、大野、柳川、浪館)
弘前市:2店舗(駅前、城東)
八戸市:3店舗(三日町、石堂、湊高台)
五所川原市:1店舗
十和田市:1店舗
むつ市:1店舗
おいらせ町:1店舗
(2)ケンタッキーフライドチキン
イートインのみ。
低アレルゲン骨なしケンタッキー、オレンジジュース、米粉パン、バナナケーキのセット。
うちの子はバナナアレルギーもあるのでバナナケーキのみ取り分けが必要ですね。
※ちなみに、KFCのポテトは小麦粉を使用しています。
※コールスローサラダは卵を使用。
※コーンサラダは「店舗の調理工程・器具を共有するもの」のみ。
[提供店舗]
低アレルゲンメニュー対応店舗のみ。
2022年3月20日時点では、
の1店舗のみ。
(3)ステーキ宮
メニュー | ステーキ宮 | ステーキ&ハンバーグレストラン
キッズメニューには低アレルゲンハンバーグあり。
また、大人用のステーキも、タレ類をかけなければアレルギー的には問題なし。
なので、「塩コショウのステーキ」が食べられる年齢になったら、普通のステーキメニューも食べられるようになると思われます。
3. 海鮮系
スシロー
→上記の回転寿司チェーンでは品目ごとにアレルゲンがpdfで公開されているので、行く前に食べられるメニューをリストアップしてから行くと良いかもしれません。
また、各社とも入店前に予約できたり、ネタごとに注文したりすることもできるため、アレルゲンが問題ないネタのみセットでオーダーして食べるのもよいかと思います。
4. スイーツ系
(1)サーティーワンアイスクリーム
店頭で盛り付けてもらうことはできませんが、ポーションカップの中から商品を選ぶことでアレルギー対応の商品が選べたりします。
アレルギー・エネルギー・栄養成分|商品紹介|[B-R サーティワンアイスクリーム]
また、アイスケーキも小麦・卵不使用の商品がいくつかあるので頼もしいです。
[店舗]
青森市:3店舗
おいらせ町:1店舗
五所川原市:1店舗
八戸市:3店舗
弘前市:2店舗
むつ市:1店舗
(2)ミスタードーナツ
ふかふか焼きドーナッツ プレーン|ドーナツ・パイ|ミスタードーナツ
焼きドーナツが冷凍で販売されています。店頭で買えるか今度確認してみます。
[店舗]
青森市:2店舗
弘前市:2店舗
八戸市:3店舗
五所川原市:1店舗
むつ市:1店舗
つがる市:1店舗
5. 青森県内にないもの
アレルギー対応メニューはあるけれど...というお店
デニーズ:北限が福島
ジョイフル:北限が宮城
ジョナサン:詳細不明だがなさそう
不二家レストラン:東北だと仙台のみ
木曽路:関東まで行かないとない
「冷めてもしっとりふわもち」のための検討
今回は、卵と小麦アレルギーがある子どものために、栄養価を満たし、食べやすく、かつ冷めても美味しい味を実現するために収集した情報について整理した内容をまとめた記事となります。
- 1. お弁当イベント発生
- 2. 小麦と卵という理想のタッグ
- 3. デンプンの老化問題
- 4. 老化防止酵素
- 5. 加工デンプン
- 6. アミロース含量
- 7. もち米パウダーの種類
- 8. 次回実験までの課題
1. お弁当イベント発生
2月某日。私達夫婦の前には、「子供のお弁当」という課題が立ちはだかっていました。きっかけは、保育園の調理師さんが濃厚接触者となってしまい、給食が停止したこと。それ故に、子供のためにお弁当を用意することになりました。
私達は既に、「高タンパク質おやき」や「高栄養パンケーキ」「高栄養蒸しパン」などのレシピを開発していましたが、いずれも「冷めると固くなってしまい、子供が食べない」という問題点を抱えていました。うちの子はおにぎりはまだ上手に食べることができません。保育園では各園児ごとに電子レンジをつかうことはできず、また、秘密兵器であったカロリーメイトゼリーについては、保育園側からもやんわりと「できれば別のものを......」と言われています。
そのため、以下の条件を満たす料理を考案する必要がありました。
- 卵、小麦アレルギーに対応している
- 手づかみ食べができる
- 適度なやわらかさやまとまりがあり、バラバラに砕けにくい
- 冷めてもおいしい
- 栄養価は、1日分の1/3をカバーすする
- できれば保存性のよいもので作りたい
そこで我々は、さらなるレシピ開発のために、食材の性質について学び直すことにしたのです。
2. 小麦と卵という理想のタッグ
そもそも我々にとっての禁じ手となっている、小麦と卵の性質についてまず確認します。スポンジケーキの生地は、私達が求めている「ふかふか」を維持している代表格といえるでしょう。
卵、特に卵白は泡立てると気泡を抱き込む性質を持っています。これを卵(卵白)の起泡性と呼んでいます。このとき、砂糖は卵の気泡を安定化させる働きがあります。
(中略)
小麦粉には、グリアジンとグルテリンというタンパク質が含まれており、小麦粉を水で捏ねると非常に弾力のあるグルテンが形成されます。このグルテンとデンプンが網目構造を作り、膨らんだ状態を支えています。
というわけで、これを簡単にまとめると、
卵の起泡性+砂糖による気泡の安定化
↓加熱
気泡の膨張
↓
膨張した構造をグルテンとデンプンで網目構造をつくり支持
※グルテンが多すぎると膨らみきらない
ということのようです。
しかしながら、卵アレルギーは卵白のほうが抗原が強く、小麦アレルギーは小麦のグルテンに反応してアレルギーが出ています。そのため、スポンジケーキのふかふかを構築するための2大巨頭が使用できない、ということになるわけです。
3. デンプンの老化問題
さて、小麦であろうとなかろうと、デンプンを扱う以上、意識しなければならないポイントがあります。それは、「デンプンは老化する」という点です。
デンプンには、いわゆる「美味しくなる」とされる「α化」という現象があります。これを専門的には「糊化」といい、水分とともに加熱することでねばりやとろみが出てくることのことを指します。
一方で、一度加熱したでんぷんには「冷めると美味しくない、ぼそぼそになる」という性質もあります。これをでんぷんの「老化」といい、*2によりますと、
一方、老化現象は、温度が低くなることにより、糊化したデンプンの鎖がよりエネルギー的に安定な状態に戻るためにお互い水素結合を作り、再び会合する現象と考えられている(図2)。日本語では、“老化”というが、英語では、“retrogradation” と呼ぶ。“retro-”とは“さかのぼって”、“gradation”は、“徐々なる変化”という意味で、デンプンが糊化した状態から、徐々に糊化する前の結晶構造に近い形に戻っていくという意味をとることができる。ただ、完全に糊化する前の結晶状態に戻ることができるわけもなく、一般に老化したデンプン食品は、食感が硬く、ぼそぼそとしたものとなり、見かけも透明感が失われ、離水が起きることもある。
とのことです。
我々が片栗粉(ばれいしょでんぷん)をベースに作っているおやきや蒸しパンやパンケーキなどもこの例外ではなく、やはり冷めると固くなったりぼそぼそになったり、パサパサになったりします。
デンプンの老化に影響を与える因子として、*3では4つの点が挙げられています。
1) 温度
水が凍結しない程度の低温が最も老化しやすいと考えられるため、食品を冷凍する場合は、この温度域を素早く通過させてあげることが必要である。
2) 水分
50~60%の時が最も老化しやすいと言われている。水分を極力減らした食品である即席麺やせんべいなどは老化が起きない。
3) アミロース含量
デンプンの成分としては、アミロペクチンよりアミロースのほうが老化しやすい。デンプンの種類としては、コーンスターチや小麦などの穀物系のデンプンのほうが、タピオカなどの芋系のデンプンに比べ、老化しやすい性質がある。
4) 共存物質
糖質や一部の乳化剤は老化を抑える効果がある。また製パンなどでは、β-アミラーゼなどのデンプン分解酵素とデンプンを併用することにより、老化を遅延させる工夫が取られる。
しかし、老化を完全に抑制することは難しく、加工デンプンを使うこととなる。
つまり、
- 水分を含ませて
- あつあつの蒸しパンやおやきを作り
- お弁当用に冷ます
行為は、できた料理のデンプンをさらに老化させる行為と言えます。
では、お弁当に必要な作成状況の中でもなんとかできる手段はないかについて検討しました。
4. 老化防止酵素
スーパーで和菓子を買っても固くなっていない理由、それが酵素です。
たとえば、大豆由来のβアミラーゼという酵素を使用してデンプンをやや分解することで、時間が経っても固くなりにくいようにすることができます*4。
しかしながら、やはり酵素はタンパク質でできているため、高温状態では失活してしまいます。例えばこのβアミラーゼは製菓用に市販品も販売されているのですが、こちらを見ても、耐熱温度は90℃までとなっています。
【楽天市場】【P3倍 21日20時〜28日9:59まで】 和菓子用老化防止剤製剤 ニューモチエース100 1kg(和菓子用小麦蛋白素材/老化防止剤):パン・製菓材料とはとむぎの半鐘屋
一度加熱し糊化した後のモチなどに混ぜ込んで使用するのにはいいのですが、おやきや蒸しパンなど、加熱しながら成形する食品には使用できません。
5. 加工デンプン
コンビニの冷やしうどんがいつでもモチモチしているのは、この加工デンプンを使用しているからなのだそうです*5。
加工デンプンには酢酸デンプンやヒドロキシプロピル化デンプンなどがありますが、こちらは市販品がみつかりませんでした。一般家庭でこれを使用するのは困難なようです。
6. アミロース含量
というわけで、一般家庭でできることは「アミロースの量を調整する」のが限界なのかもしれません。*6の表より、我が家で使用するデンプンについて着目してみたところ、
- うるち米(いわゆるご飯の白米):アミロース15-25%, アミロペクチン 75-85%
- もち米:アミロース0%、アミロペクチン100%
- ばれいしょ(片栗粉の原料):アミロース 20-22%, アミロペクチン 78-80%
- タピオカ:アミロース 16-17%、アミロペクチン 83-84%
「もち米最強」ということがわかりました。もち米はアミロースが含まれていないために、冷たい状況でももちもちを保てるため、白玉は冷たくてももちもちになるそうです*7。
つまり、もち米をメインで使用すれば、アミロースによる老化を可能な限り防ぎ、冷めてももちもちを保てると思われます。
あと、良かれと思って使っていた片栗粉が、「冷めてから食べるもの」に使用するのには向いていないくらいには、かなりアミロースが多いということも勉強になりました。調理してすぐ食べるシチュエーションでは片栗粉は便利ですが、冷めてから食べることを考える場合は、もち米由来のものを使用するのが良いでしょう。
7. もち米パウダーの種類
さて、ではもち米のアミロペクチンを材料として使用するにはどういう食材を買えばよいのか。
もち米をパウダーにしたものとしては、「白玉粉」が該当します。また白玉粉とは別に「もち粉」というものもあるようです。両者の共通点は、非加熱のもち米を製粉していることにあるようです。それぞれの特徴としては、以下のようになります。
- 白玉粉:粒子が細かい。やわらかい。冷やしても固くなりにくい。時間が経っても固くなりにくい。消化しやすい。やや高価。
- もち粉:粘性が高く、もちもちしやすい。
なお、「上新粉」はうるち米由来のため、アミロースが多いことになります。だんご粉は、もち米とうるち米のブレンドしたものだそうです。もち粉などと比べると、やや弾力が出るそうです*8。
実際にこの4つの粉を作成したページがありました。性質の違いが実例つきで見やすく参考になります。
何が違うの? 「上新粉」「白玉粉」「だんご粉」「もち粉」を自分で作る - ぐるなび みんなのごはん
白玉粉、もち粉、上新粉、だんご粉の違いを知ろう : Z-SQUARE | Z会
また、加熱しα化したもち米を製粉したものもあるそうで、下記のような種類があるそうです*9*10。
- 道明寺粉:蒸したもち米を乾燥し荒く砕いたもの
- みじん粉:道明寺粉を細かく粉砕したもの。
- らくがん粉:道明寺粉を炒ったもの
- 寒梅粉:蒸したもち米を餅にして焼き、粉砕し粒を揃えたもの
- 上南粉:蒸したもち米を乾燥→粉砕→200℃で焙煎し膨化させたもの
- しんびき粉:蒸したもち米を乾燥→粉砕→砂とともに焙煎。落雁などに使用
加えてこれらとはまた別に、「製菓用米粉」という枠があるようです(いわゆる洋菓子やパン用に販売されているもののようです)。これらにグルテンを添加して米粉パンや米麺を作る場合もあるようですね(そうすると小麦アレルギーの子は食べられない米粉パンになりますが......)。
8. 次回実験までの課題
というわけで、我が家の中では白玉粉に白羽の矢が立ったというわけです。
現時点での計画では、
- 寒天と砂糖で保水し(しっとり)
- ベーキングパウダーで膨らませ(ふわふわ)
- おからパウダーで厚みと構造を保ち(ふわふわ)
- 白玉粉を使用してデンプンの老化を防ぐ(もちもち)
という4段構えで、「冷めてもしっとりふわもち」を目指していきたいと考えています。上手く行ったら、別記事でレシピをまとめます。
【2022/3/25 追記】
→実験しました
我が子が旅行に行けるようになるまでのハードルについて整理してみた
もうすぐ2歳。
卵と小麦のアレルギーがあり、食べても良いのは十分加熱した卵黄のみ。
そんな子がいずれ旅行に行けるようになるまでに、どれだけのハードルを超えればよいかについて情報を整理してみました。
1. 緊急時にエピペン®が使用できる
【公式】エピペンサイト|アナフィラキシー補助治療剤 - アドレナリン自己注射薬 エピペン®注射液|ヴィアトリス製薬株式会社|マイランEPD合同会社
アナフィラキシーが出たときに自分で注射できる薬剤ですね。これを使用した後は病院を受診しなければなりませんが、これがあれば誤食などにより症状が出てしまってもとりあえずは対応ができます。
こちらのエピペンが使用できるようになるのは、体重が15kg以上の子になります(薬液の濃度の問題と、太ももの筋肉の厚みの問題があるようです)。
平均体重で見ていくと、体重15kgを超えてくるのは男女ともに4歳以降のようです。なので、4歳以降となるのは確実なようですね。
2. 食物負荷試験が実施できる
我が子の場合、卵黄について食物負荷試験が実施できましたが、卵白については1g摂食で軽めのアナフィラキシーが出てたので、次できる時期がだいぶ先になりそうです。
小麦については、食物負荷試験の実施もできないくらいの数値が出ているため、おそらく試験ができることすらだいぶ先になることでしょう。
3. 誤食に耐性がある
現状では、少量の摂取でも症状が出てしまい、完全除去(揚げ油を共有しているなどの場合も避ける)の対応を取っています。※十分に加熱した卵黄以外
旅行をする上での最低限の理想としては、「調理器具を共有する、揚げ油を共有する、醤油などの原材料に少量使用されている」などの状況で小麦や卵を摂取しても症状がでない、くらいだと安心感があると思います。原材料さえ確認ができれば、その場で買い食いをすることも可能になると思います。
食物経口負荷試験の手引き2020*1によると、「少量の総負荷量は誤食などで混入する可能性がある量を想定」しているそうです。
その少量の総負荷量の量というのが、
・鶏卵:加熱全卵 1/32〜1/25相当
卵白:加熱卵白 1〜1.5g
・小麦:うどん1〜3g
だそうです。
4. 結論
以上より、まずステップとして必要なのは
(1)食物負荷試験ができるくらいまで数値が落ち着いてくる
(2)食物負荷試験で「少量」をクリアできるようになる
(3)エピペンが使える体重(15kg)まで成長する
の3つをクリアする頃に、旅行について考えることができそうですね。
旅行先クッキング(随時更新)
子供に卵と小麦アレルギーがあるため、おそらく旅行したら外食もお惣菜買い食いも厳しい。
他の親御さんだとアレルギーレトルトカレーを持ち込むこともあるそうですが、毎晩カレーというのも子供にとってもきびしいと思われますし....。
なので、旅行先でも美味しいものを食べるために使えそうな便利グッズについて、今のうちから調べてメモしておこうと思います。
(なお、最初から炊事場がついてる湯治宿とか、コンドミニアムから始める場合も考慮してます)
1. YAZAWA ホテルで調理ができるトラベルマルチクッカー
2. リード プチ圧力調理バッグ
旅行先で圧力調理ができる!しかもディスポ!!洗い物が不要!!!このパックだけ買ってもっていけば(もしくは現地で購入すれば)、それなりの料理ができちゃうんですよ!!!
アレルギー対応のめんつゆとか醤油とか持参していけば、あとはこれと洗い場(生ゴミ処理できるスペース)があればなんとかなる!!
3. 0.5〜1.5合炊きミニ炊飯器
自宅における卵黄経口摂取 覚書
我が子には卵アレルギーと小麦アレルギーがあります。
それに関しての経緯と自宅での注意点について自分用にまとめようと思います。
――これは実話であり、関係者による記録と分析、関係者の証言を元に構成しています。
- 1. これまでの経緯
- 2. 自宅での「加熱卵黄」の作製
- 3. 激しい嘔吐
- 4. 推奨調理方法の確認
- 5. 再検証
- 6. 受診
- 7. 家庭における「(仮称)医学的固茹で卵」の製法(改訂版)
- 8. 卵白の混入の可能性についての検討
- 9. 背景因子についての考察
- 10. あとがき
1. これまでの経緯
2020年3月出生
その後、生後4〜6ヶ月ごろから、卵や小麦を摂取すると、摂取から数時間後に頻回の嘔吐がみられる様子があった。
2020年11月(生後8ヶ月)
プリックテスト(抗ヒスタミン剤内服下)で卵白、卵黄、小麦で陽性
※抗ヒスタミン剤内服下で実施されたのは、当時担当していた先生の確認ミスによるものです。
→完全除去を継続
【採血データ】2021年3月(生後12ヶ月)
2021年8月(1歳5ヶ月)
卵白での食物負荷試験を実施。
(卵黄ではなく卵白から開始したのは、採血上の数値や乳児期での嘔吐の反応が卵白のほうが弱かった経験があったため、保護者の方から依頼)(FPIESの可能性を考慮したため)
→0.5g刻みで30分おきに摂取。加熱卵白1g食べたところで全身の発赤、掻痒、咳嗽、尿量低下、酸素化低下などあり。(酸素吸入あり、アドレナリン投与なし。血圧は抵抗が強いため測定せず)
→卵白の完全除去継続
【採血データ】2021年10月(1歳7ヶ月)
→卵白の感作がさらに進んだと考えられた。
2021年11月(1歳8ヶ月)
卵黄での食物負荷試験を実施
→加熱卵黄1/2個分を摂取しても症状なし。
(翌日は腰部に発疹出現)
→これ以降、「自宅でも加熱卵黄1/2を週2回まで。体調がいいときに実施」と摂取の指示あり。
2. 自宅での「加熱卵黄」の作製
11月末に経口負荷試験で卵黄完全除去が解除されたが、以降も風邪やら湿疹やらが頻発し、なかなか挑戦する機会がなかった。
2022年2月8日(子供は1歳11ヶ月)、夫が以下の手法で「固茹で卵」を作製。
- 冷蔵庫から取り出した冷たい卵を
- 冷水に入れて
- ガスにかけて煮沸
- 100均で販売されている「ゆで卵タイマー」を参考にし「固茹で」のサインが出たところで加熱停止
- すぐに卵白と卵黄をとりわけ、卵黄についていた卵白も剥離。割面は肉眼で「固茹で」だった
上記の「加熱卵黄」を、一度冷凍したのち、5時間後に約1/8個ぶんを取り出し、子供の夕食に混ぜ込んで摂取させた。
3. 激しい嘔吐
子供の食前の体調は非常に健康そのもので、機嫌もよく、食欲も旺盛。18時半ごろに摂取。摂取中に皮膚症状などはなく経過。
摂取から2時間半後、21時ごろから不機嫌そうな啼泣の後に激しい嘔吐が頻回に続く。嘔吐のあとは度々水分を欲しがるが、水分を摂るたびに10-30分で再度嘔吐してしまう。嘔吐後も皮膚症状なく経過。体温36.7℃。
22時半に吐き気止め目的で五苓散坐剤を挿入するも、なお嘔吐が続く(これまでの経験上、感染性胃腸炎であれば挿入後1時間後には嘔吐が治まっていた)。嘔吐は0時過ぎまで続いた。30-40cc摂取しても30分後には嘔吐してしまう状況。
0時すぎに病院受診し(受診後も嘔吐有り)、1時からアタラックス-P®と補液の点滴を開始。点滴刺入時、激しく泣いて抵抗したが、流涙見られず。受診時体温37.4℃。
点滴が30mLほど入ったあたりから、水分を経口摂取しても吐かなくなった。30分以上かけて280ccのりんごジュースを飲みきり、その後は薬の影響もあり入眠。抜針時には流涙も見られた。
4. 推奨調理方法の確認
一般的な「固茹で卵」の調理時間としては、下記のように「12分」程度が推奨されている。
ゆでたまごの作り方(半熟から固ゆでまでのゆで時間のまとめ):白ごはん.com
一方で、「厚生労働科学研究班による食物経口負荷試験の手引き2020*1」によると、
卵黄1個をつなぎとして使い調理したもの
:生の状態で卵黄だけを取り出して全量を調理に使う。蒸し焼きにするなど十分に加熱し、卵によく火を通す。
固茹で卵
:沸騰後20分茹でる
と、記載されている。
また、周知の事実として、「固茹で卵は作成してすぐに卵黄と卵白を分離することで、卵白に含まれるアレルゲンが卵黄に移行することを防ぐ」ことができる*2。
また、下記*3によると、
調理法別に検討した全卵50g中において、生卵と比較した場合の抗原残存率
- 12分 固茹で卵 : 0.01%
- 20分 固茹で卵:0.005%
(2)オボムコイド(OM)
- 12分 固茹で卵:11.77%
- 20分 固茹で卵: 6.12%
と、茹で時間12分と20分の間では、残存する抗原の量にはおおよそ倍の差があると記載されている。
5. 再検証
そこで我々は、夫が実際に作成した「固茹で卵」が何分程度加熱されたものであったのかについて、同様の手法で再度作成し検証することにした。
- 冷水→沸騰までの時間:10分
- 沸騰→「ゆで卵タイマー」に「固茹で」のサインがでるまで:6分
- その後、肉眼的に割面を観察したところ、中心部にやや加熱が不足:初回に作成したものは肉眼的には内部まで加熱されているように見えたため、実際にはもう少し長く加熱していた可能性あり。
- 卵黄1/8:残っていた冷凍卵黄を実測したところ、平均で1.7g
「冷水から加熱」という開始条件の違いはあるものの、「沸騰してから20分」という加熱時間と比較すると、明らかに加熱時間が不足していた。初回作成時を振り返り、夫も「これより1,2分長くなることはあれど、ここから更に5分10分茹でたりはしていなかっただろう」と振り返っている。今回初回に作成した「固茹で卵」は、最短でも16分、沸騰してからは最短でも6分の加熱しか行われていなかったと考えるべきであろう。(なお、実際に子供が食べた分を作成した当時は、他の家事を並行しながら行っていたため前後数分のズレがあったと予想される。)
※「沸騰」の定義については下記を参考に修正しました。
沸騰の判断基準は? 料理の出来を左右する泡の大きさについて | 台所通信
6. 受診
同日朝にかかりつけ小児科医を受診し、以前からの経過も含めた上で、「昨夜の嘔吐はアレルギー反応だったと解釈しても良い」との返答を得た。また、「再検証は1週間以上開けてから」「自宅で再検証しても同様の症状がまたみられるようであれば、病院で再度経口負荷試験も検討」との指示もあった。
なお、点滴実施以降は嘔吐もなく食欲も旺盛で、機嫌よく遊んでいる。また軟便傾向はみられたものの、下痢や発疹、発熱などの症状はみられていない。
また、実際に卵黄での食物経口負荷試験を行った際に提供された「蒸しケーキ」の調理方法について、病院の栄養科に問い合わせていただいたところ、下記のように作成しているとのことだった。
材料:かぼちゃ(皮取り)、卵黄1個、砂糖4g
- 卵黄は生の状態で事前に卵白から取り分ける
- スチームコンベクションオーブン 焼モード170℃ 15分 蒸気30%
7. 家庭における「(仮称)医学的固茹で卵」の製法(改訂版)
結論としては、「加熱が不足していた固茹で卵黄を摂取したことによるアレルギー反応」の可能性を第一に考えるべきであろう。
なお他の可能性としては、卵白が混入した(後述)、前回負荷試験以降に反応が強くなった、なども考慮される。
今後、自宅での卵黄摂取については、下記の手法で実施を検討している。
【(仮称)医学的固茹で卵】
- 水を鍋に入れ、沸騰させる
- 沸騰してから卵を入れる
- 20分間茹でる
- 卵を取り出し、黄身と白身に分ける
- 取り出した黄身を細かく刻む
- ジップロックコンテナに入れ冷凍
- 使用する際は重量を計測してから使用(0.5g/日程度から開始予定)
この条件で作成した「卵黄」を、各種食材に混ぜ込んで様子を見る。
上記条件でも症状が見られた場合は、病院でのスチームコンベクションオーブンを使用したレシピを再現し、自宅で検証予定。それでも症状が出るようであればかかりつけ小児科に再度相談の方針。
なお、茹でる前の卵に関しては、冷蔵庫から取り出してすぐのものを使用することで、事前の温度条件を一定に保つことが可能となる。
常温にもどさず、冷蔵庫から出したての卵を使う
常温は季節によって温度が異なりますが、冷蔵庫の卵は温度がいつも一定しているため、毎回思った通りの固さに仕上げることができます。
お湯からゆでて理想の固さに!ゆで卵の基本レシピ | 卵料理の基本 | 料理の基本 | とっておきレシピ | キユーピー
実施時は以下の条件も満たすようにする。
- 風邪や肌荒れなどの症状がない時期を選ぶ
- 事前に休暇を申請し二人体制を確保
- 平日午前中に開始
- 実施1時間前には抗ヒスタミン剤を服用させる
なお、「加熱した卵黄を冷凍した場合における抗原の変化」についてはまだ十分な情報が見つかっていないため、発見し次第補足する予定。
上記内容を実施した結果を後日更新予定。
8. 卵白の混入の可能性についての検討
2021年8月(1歳5ヶ月)時点で実施された卵白の経口負荷試験では、加熱卵白1gの摂食で発赤や掻痒、咳嗽などの症状が見られており、嘔吐などの症状は見られていない。
その時点で卵白による症状の可能性は積極的には疑われにくいが、調理の工程の問題として、微量であっても卵白の混入は生じうる。
*4によると、
卵黄に残留した卵白と卵黄膜の合計量は0.7g (0.6~1.0g, n=6)
との結果が得られている。
仮に今回作成した卵黄に1gの卵白が残存していたと考えた場合、1/8個に分割しているため、概算し0.125gの卵白が摂取された可能性は考えられる。
実際の卵白の経口負荷試験時では、0.5gの摂取では「やや不機嫌になる」程度の症状のみが見られており、今回のような嘔吐などの症状は確認されなかった。ゆえに、それ未満での卵白摂取で今回のような症状が出たとは考えにくい。
以上より、今回の発症においてより疑わしい可能性として考えられるのは、「卵黄の加熱不足」であると推察される。
9. 背景因子についての考察
以下に、「なぜこのタイミングで」「なぜこの状況で」発生したのか?についての考察を記載します。
(1)心理的要因 - 楽観的予測のきっかけ
今回記載した、「(仮称)医学的固茹で卵」のレシピについて、離乳食を作ったことがある方ならば見覚えがあるかと思います。そう、「離乳食初期の時期に卵黄からトライする場合の調理法」として紹介されていることが多いですね。
20分程度しっかりゆでた卵の卵黄だけを取り出して、離乳食のスプーン1杯分くらいあげてみましょう。ゆで卵黄を準備する際、卵白の成分が卵黄に溶け出して移ってしまう事がありますので、ゆでた後の卵黄はすぐにとりわけます。
卵を使った離乳食の進め方を教えて下さい。|Q&A|パルシステムの育児情報サイト~子育て123~
卵は加熱するとアレルギーを起こす力が弱くなるのと、卵白でアレルギーを起こすことが多いので、20分間ゆでた、かたゆで卵の卵黄から試しましょう。
実を言うと、私自身も今回のことがあって原因について考えていた際、一晩寝てから真っ先に思いついたのがこの「離乳食初期における茹で時間」についてでした。(そういえば20分っていうのなかったっけ......)程度のうろ覚えでしたが。
けれど夫が固茹で卵を調理していた際にそれを指摘できなかったのも事実です(私は発熱で寝込んでいたという背景もあります)。
もしも夫が今回のミスを回避するチャンスがあったとしたら、1歳11ヶ月の子供の、完全除去から摂取開始に変更された直後に、自宅で食べる卵黄として「離乳食初期用の作り方を確認しなきゃ」という着想が得られたか、というのがポイントになったのかもしれません。
けれど、食物経口負荷試験を経験している以上、離乳食を始めたばかりの乳児のような「一番最初に食べる卵黄」というわけでもありません。
ましてや、病院での経口負荷試験では「卵黄1/2個分」を食べることができていたのです。耳かき1杯分程度の微量な量だけ食べられた、なんて結果なら神経質にもなるでしょうが、これまで完全除去をしていた食材が1/2個も食べられた、という結果は、「けっこう行ける」という感覚を抱くに十分な結果だったのでは?と予想します。
卵黄の経口負荷試験当日は、夫が保護者として同伴し、子供が蒸しケーキをもりもり食べて、食べ飽きてしまうところまで見ていました(食べ飽きてしまいそれ以上食べなかったため、卵黄1/2個分で試験は終了となりました)。食べ終わった後も特に症状が出ることもなく、元気に遊び回る様子を見て、「まだまだ食べられそう」という期待感すら抱いたことでしょう。
アレルギー症状が非常に強く出た卵白の経口負荷試験の際は私(妻)が同伴したため、夫は強いアレルギー症状を実際に見ていなかった、という要素も関係していると思われます。
実際、(厳密な加熱時間の指導がなかったらしい様子を見ると)その「けっこう行ける」という感覚は、もしかすると小児科医の先生側にもあったのかもしれません。
*5を参照しますと、今回の場合は「もともと完全除去例」だったが、卵黄での負荷試験の結果は陽性(アレルギー症状らしい症状が検査後に出現しない)ではなかったことから、「陰性・判定保留」と判断されたと考えられます。また、その場合の対応として、
- 総負荷量を超えない範囲までを「⾷べられる範囲」とし、⾃宅でも症状が出現しないことを確認する。
- 安全性を配慮し、許容量は「⾷べられる範囲」の上限より少なめに設定すると良い。
といった記載があるため、これに従い「自宅でも加熱卵黄1/2を週2回まで。体調がいいときに実施」という指示が出たと考えられます。
今回の件の直後、夫が「こんなにひどい症状がでるとは思わなかった」「もっと軽く済むと思った」とこぼしていたのも、そういった食物経口負荷試験時の印象が強く残っていたことが原因の一つとして関与していたことを疑わせます。
(2)時間的制約と、ダブルチェック機構の破綻
上記の考察をもとに、後日、当事者(夫)に聞き取り調査を行ったところ、以下のようなコメントが得られました。(本人の許可を得て掲載します)
- まず第一に、ゆで卵作製前の時点で、失敗した時のイメージが一切持てていなかった。楽観的予測があった。
- 「もしも家庭内でアレルゲンを摂取するとなった場合、家庭内に人員的バッファが必要な状況になる」という想像ができなかった。
- 加えて、協力者(妻)のワクチン副反応による症状の強さも想定できていなかった。
- 監督者(妻)による作製時のダブルチェックが必要であるという可能性に思い至らなかった。
- 故に、現状が家庭内にバッファがない状況であることに気づく以前に、「バッファが必要である」こと自体を全く想定できていなかった。
- 子供が風邪や皮疹などなく数日過ごし、体調がいい状態がようやく保てるようになった。これを得られるまで3ヶ月程度既に経過していたため、「早めに卵黄を食べさせたい」という気持ちがあった。体調が良いのは今だけかもしれない、という焦りがあった。
- 以前購入した卵の消費期限が迫っており、「早めに作り置きをしなければ」→「アレルギー対策用の卵黄を今日のうちに作ってしまおう」→「今日は子供の体調も良いし、せっかくだから今夜試してみよう」、という発想に至った。
- もともとガスを節約し予熱調理を好む傾向があり、最低限固茹で卵になる加熱で良いだろうと考えていた。
- 病院から指示された「卵黄1/2個」よりも少ない量(例: 1/8個)であれば、アレルゲンとしての影響が出る可能性を考慮しなくてもよいと思った。食材として使用することができ、ワンオペでも対応ができると考えた。
よって上記の発言とこれまでの分析から、時系列をまとめると以下のような流れであったことが予想されます。
- 食物経口負荷試験を実際に見たことで、「けっこう行ける」という心理的安心感を得る。
- 卵の消費期限が迫っていた。
- 「子供が体調不良ではない」という条件がようやく揃ったため、体調がいい今のうちに食べさせたいという焦りがあった。
- 楽観的予測に基づき、ダブルチェックが機能しない状態で作製→実践
つまり、楽観的予測と時間的焦りにより、ダブルチェック機構が破綻している状況であること、そしてダブルチェック機構が破綻している事により生じうる危険性に気づくことができなかった、と言えるでしょう。
実を言うと、私(妻)側は以前、アレルゲンの早期曝露に関して詳細に調べていた時期がありました。下記は、2020年7月(生後4ヶ月ごろ)に私が作成し、実際にキッチンに掲示していた資料の一部になります。
そのため、私のほうでは「ゆで時間20分」という知識が身についていましたが、当日(2/8)はワクチン3回目の副反応により、38〜39℃台の発熱が出ており、冷静な対応ができる状況ではありませんでした。
また夫側についても、「子供が生後6ヶ月になる以前は、過労のために記憶が曖昧」という要因も大きく影響したと考えられます。上記の掲示内容は、鶏卵アレルギーが指摘され完全除去の指示が出されて以降は、掲示を取りやめています。上記を掲示していた期間であれば内容に従うことはできても、掲示もされていない指示書きのその内容を1年以上も覚えておくのは困難だったと考えられます。
せめて私が健康で、かつ、ゆで卵製作以前にコメントができる状況にあれば、「ゆで時間20分にしたほうが良いんじゃない?」と一言伝えることができたと思いますが、その可能性は「卵の消費期限」という時間的制約によって阻害された、と言えます。
もしくは卵黄を実際に食べさせる前に「どうやって作ったの?」と確認をすることで食い止めることもできたと思われますが、それは発熱により夫にワンオペを任せていたことで、結果的に阻害された形となりました。
(3)具体的な解決方法を検索することの困難さ
今回の件を通して調べ作業をして気づいたのは、「食物経口負荷試験で推奨されている調理方法」に関しては詳細な記載がありましたが、「食物経口負荷試験で完全除去から摂取開始になったあとの自宅での推奨調理方法」はみつけられなかった、ということです。
下記*6には、具体例として「加熱全卵1/8個が摂取可の場合に食べられる可能性の高い食品の量」の記載はありますが、加熱卵黄に関しての記載はありません。
また、「食物アレルギー診療ガイドライン2021(2021/11/13 発売)」にも加熱卵黄の調理に関する記載はみられませんでした。
このような条件下では、たとえ加熱卵黄の調理方法について調べようと思っても、容易にその答えを得られることはなかったでしょう。負荷試験に使用する食材の調理方法を調べることがもし仮に可能であったとしても、それはあくまで「負荷試験用の調理法だ」と受け止めてしまえば、実践することにつなげるのは難しかったと思われます。
これに関して、いくつかの病院のページなどを参照していましたが、経口負荷試験で食べるものを自宅から持ってきてもらうクリニックなどもあるようです。(調理室の有無なども関係しているのかもしれませんが)
持参して貰う場合は品質が病院単位で管理できない代わりに、親御さんが「このくらいなら大丈夫」というのを実感しやすいというメリットもあるのかもしれません。
なお、*7には下記のような記載はありました。
負荷試験食のレシピなどの情報を患者や保護者に提供し、自宅でも摂取できるように工夫する。
ですので、今回発症後に改めて病院を受診し、調理方法について確認をしたのは重要なポイントだったようです。
(4)結論
振り返ってみて理想を言えば「離乳食での卵黄の始め方を思い出すべきだった」「妻にも余裕があるときに挑戦すべきだった」ということは簡単ですが、それを想起するのにはやや難しくなるような心理的・環境的背景因子がいくつもあったのでは、と考えます。加えて、もしも仮に一度立ち止まってみて、夫自身が「卵黄の完全除去から摂食開始になった場合の調理方法」というのを調べたとしても、それに対する適切な答えは容易には得られません。
現実的に「離乳食レベルから開始する」ことが実行可能な条件がそろっていたと考えるにはやや困難な状況だったと考えるべきではないでしょうか。
10. あとがき
完全に事故調査委員会かなにかの症例報告のようなブログの内容になってしまいましたが、これはあくまで趣味と実益を兼ねたものとなっております。
もともと夫自身も、労災事例などの分析を読むのが好きであり、また、番組「メーデー!: 航空機事故の真実と真相」のファンでもあります。私が仕事柄、医療事故についての考え方を叩き込まれているという要素も大きいです。
(「メーデー!ならここまで言及するはずだから、せっかくだし全部書いて!」と夫からの発言もあり、ここまでの長さになりました)
人間である以上、ミスは起こりえます。そしてミスに対して、当事者に責任を追求するだけでは、再発防止に至るとは言い難いです。
そのミスが構造的な部分から改善できるのであれば、そこから改善を試みることができます。また今回の事例をもとにして、類似事例に対しても再発防止策を事前に準備することができるでしょう。
我々の今回の反省が他の事例の予防に生かされることを願っています。
*1:厚生労働科学研究班による食物経口負荷試験の手引き2020 巻末資料3
*2:坂井 堅太郎: ゆで卵の作成と放置に伴うオボムコイドの卵黄への浸透, アレルギー, 47(11): 1176-1181, 1998
*3:伊藤 節子: 食物アレルギー患者指導の実際, アレルギー, 58(11): 1490-1496, 2009
*4:ゆで卵白1.0gの摂取が可能な鶏卵アレルギー児に対する生の状態で取り分け加熱した卵黄1個の経口負荷試験
*5:厚生労働科学研究班による食物経口負荷試験の手引き2020 実践編
*6:厚生労働科学研究班による食物経口負荷試験の手引き2020 試験後の食事指導