11ヶ月からの保育園

 今回は、子供を預けることについて、我が家の経験をもとに書いてみます。

 是か非かではなく、「実際にはこういう感じだった」という体験談の形で綴ろうと思います。

【この記事の内容要約】

  • 子供は1歳ぐらいからめちゃくちゃ動き回るので、専属で見る人がいないなら預けたほうがいいと思う。
  • でも最初の1ヶ月は感染症をもらい続けるので休職中のほうがいい(まともに働けないくらい風邪を引く)。
  • 保育園の前に託児サービスで慣れておくと親も精神的に保育園を利用するハードルが下がる。

 

1. 我が家の背景情報

 我が家は青森県在住、夫が主夫、妻が大黒柱(育休中)で生活していました。夫の実家は九州で、妻の実家は青森県(車で3時間)の距離と、なかなか親族を頼るのが難しい立地です。特に子供はコロナウイルスの流行とともに生まれたようなものだったので、たとえ県内移動でも感染リスクが有る(文化圏が異なるため)ような状況でした。

 ですので、もう子育てはほぼほぼ二人きりでおこなってきたようなものです。長めに育休をとって二人がかりで育児をしていましたが、やはり限界はありました。

 

2. ヘルパーサービスの利用

 まず最初に利用したのは、自宅に来てくれるタイプのヘルパーサービスでした。自宅にいて自分たちが子供を見ている間に家事をしてくれたり、子供を家にいるヘルパーさんに預けて自分たちは外の用事を済ませたりすることができます。

 自宅内には監視カメラとAmazon echoをセットしていたので、子供が激しく泣いて泣き止まない様子がカメラ越しに見えた場合は、Amazon echo越しに「こうすると泣き止むと思います」「こっち向きで寝せてください」と指示を出したりしました。

 

 しかし、夫としてはあまりうまく自分たちの方針に組み込むことができないと悩んでしまっていたので、ヘルパーサービスの利用は終了することにしました。

 

3. 託児サービスの利用

 その後しばらく二人で面倒を見ていましたが、やはり限界が来てしまったので、生後6ヶ月からは市営の託児サービスを利用してみることにしました。1時間500円となかなか高額で、基本的には予約不要で3時間/dayまで、事情を説明すれば6時間/dayまで預かってくれるサービスでした。

 最初は1時間預けるのも精神的にはきつかったですが、少しずつ親の方も子供のほうも慣れてきて、3時間、6時間と預けられるようになりました。

 またこちらは高額なおかげか、逆に利用者の数が少なく、連日使っていても風邪を引くことはほとんどありませんでした。

 1日に3時間以上まとまった自由時間が確保できると、「一旦気持ちを休める」ことができるようになりました。精神的な余裕や肉体的な余裕を回復させることもできました。

 最初の頃は子供も泣くことが多くありましたが、生後7ヶ月になる頃には、「おもちゃのお部屋いくよー」と伝えて連れて行くと、泣かずに預けられるようになりました。

 人見知りが終わる時期と、視力が発達してくる時期、自分からおもちゃで遊んでみたい時期、機嫌良く遊べるようになる時期がちょうどよく重なり、自宅以外に預けられて遊べるようになったのかもしれません。

 

4. 保育園へ

 妻が本格的な復職をするにあたり、いよいよ保育園を利用することになりました。準備が必要なものもありましたが、ある程度は託児で経験値を積んでいたので、スムーズに動くことができました。

 またうちの子は離乳食の進みが遅く、ミルクを飲むときも特殊な状況を作らないと飲んでくれないような子だったので、預けるのにも心配がありましたが、保育士さん事細かく確認してくださり、できる限り対応してくれました。

 

 そして生後11ヶ月から、保育園の利用が開始しました。

 

4-1. 感染症ラッシュ

 保育園に預ける以上、ある程度は覚悟していましたが、やはりすごかったです。保育園に預け始めた最初の1ヶ月間は、1ヶ月のうち預けられた日が半月もなかったと記憶しています。保育園に行って3日めで「咳、鼻水、熱、下痢、嘔吐」とフルコンプして一週間、治ったと思って保育園行ってまた2日くらいで今度はノロウイルスで一家全滅、子供が熱を出すたびにもれなく親も発熱.......といった具合に、凄まじい1ヶ月を過ごしました。

 もしも私が保育園にこどもを預けることを考えている人に出会ったら、「最初の一ヶ月は休職中のうちに預け始めたほうがいい」と強くおすすめします。最初の洗礼は避けられないと思ったほうがいいでしょう。

 これは何も0歳だったから、という話ではなく、保育園という場所がそもそもそれくらい感染症が流行りやすい環境であり(それでもコロナ対策のおかげで以前よりはマシになってる方だと思われます)、たとえ3歳から通っていようと同じように洗礼を受けたことでしょう。

 最初の3ヶ月間はそんな調子でまあ大変でしたが、それでも段々と、風邪をもらってくる頻度も減っていきました。

 なお、保育園に通うことになり絶対風邪を引くとわかっている状況になる前に、鼻水吸引器を購入しておくことを強く推奨します。鼻水吸引器についての記事はこちら↓

おすすめ鼻水吸引器 - 子育て備忘録

 

4-2. 保育園にあずけてよかったこと

 結論から言いますが、私は「1歳から保育園って行ったほうがいいんだな」という思いを抱きました。

 もともとは、「3歳からでもいいんじゃないか?」「やはり1歳になるかならないかの子を1日11時間も子供を保育園にあずけるのは流石に.....」と思っていたフシもありましたが、子供の身体機能が発達する様子をみて、考えを改めました。

 

  • 歩けるようになった1歳は、家の中では満足しなくなる。

 0歳のときは想像できないほど、1歳は思いの外とても動き回ります。マットの上で転がって機嫌よく遊んでいた子からは想像できないほど、家の中を所狭しと動き回り、「外へ連れて行け」と訴えるようになります(しゃべれないのに!)。

 さらに歩けるようになると、とにかくもうめちゃくちゃ歩きまわります。視界が高くなり両手が使えるようになるため、あちこち歩いて回ります。もう止まらない。探検したくてしょうがない。この状態になった我が子を見た時、私達は悟りました。

「もう無理だ。家の中にずっとおいておくのは絶対無理だ」と。

 なので、「子供が歩き回り、よじ登り、いろんなものを観察したり体験したりすることを、安全に行うことができる広い環境」の外注先として、保育園はとてもよい環境だと思っています。

 保育園に預けずに自宅で面倒を見て、毎回親が公園に連れ出してもいいのですが、その間は一切家事ができなくなります。おそらく、炊飯器とホットクックを仕込んで外出、ぐらいしかできないでしょう。

 

 それを毎回専属で担ってくれる人が親族に居るならば、そういう人を頼ってもいいと思うのですが、我が家の場合はそれは無理な相談です。

 また、今は子供が1歳半になり、保育園がお休みの日曜祝日だけは子供と一緒に一日中過ごしていますが、二人がかりですら、自宅で面倒を見ながらできる家事には限界を感じています。もしも保育園がなくて、ずっと家ですごしていたら.....と思うと、とても耐えられない状況だったろう、子供も親も余裕がなくつらい日々になってしまっただろうと今は思っています。

 

  • 1歳半になると子供は他の子供を意識し始める。

 子供は1歳半にもなると他の子供と関わったり、真似したり、相手の感情を読み取ったりすることができるようになってきます。また、観察力も育ってきて、いろいろなことを学習して帰ってきます。集団の中で他の人と関わり合って過ごすことで、大人-子供の関係性では得られない、子供-子供の関係性を学習しているのでしょう。そうした相互作用は、大人たちだけに囲まれた関係性では学べない部分が大きいでしょうから、きっと私達が想像する以上に多くのメリットを受けているのではないかなと思って見ています。

 実際、我が子は保育園に行ってからさらに愛想がよくなり、周囲とコミュニケーションをとろうとする動作がとても活発になりました。これも保育園で学んだことなのではないかなと思っています。

 

4-3. 保育園のデメリット

 保育園にあずけていることに後悔はありません。ただ、心配事が尽きないのも事実です。

 集団行動の場になってしまう以上、これだけは本当に避けられません。コロナ以前と比べれば感染症に対する基本的な対応はかなり周知されましたから、コロナ以前よりは感染症にかかりにくい状況にはなったと思われます(2020年の小児科受診者が激減したという話があるくらい、子供の間の風邪がかなり減ったとも言われています)。

 また、特にコロナウイルスについては、保育園スタッフさんがしっかり感染症の対策を理解しているか、真面目に対応してくれているか、といった点も注意が必要ですね。私達自身も、保育園で濃厚接触の危険があれば仕事を休んで子供を自宅でみたり、保育園の対応に不安な点があれば電話問い合わせをしたり、改善が見られなければ市役所に相談するなどして、子供への感染症対策について動くようにしています(※妻は医療職であり大規模病院に勤めているため、特にコロナ感染対策については職場から厳重に指導されているという背景もあります)。

  • 保育園での死亡事故のリスク

 ニュースで話題になるので、この可能性も「無きにしもあらず」なのは事実でしょう。一切0とは言えません。しかしそれは、家庭内でも事故(誤嚥など)が生じるリスクと同程度であろう、と私達は考えています。あとは、保育園のスタッフさんたちとどれだけ日々綿密なコミュニケーションをとっているか、という点になってくるのではないでしょうか。

4-4. 保育園に預けてみて、考えが変わったこと

 保育園に預ける前と預けた後でイメージや考えが変わったことがいくつかあります。

  • before「保育園に早いうちから子供を預けてしまうと、子供に寂しい思いをさせてしまう」→after「早いうちから、自宅やパパママ以外の人と接することで子ども自身にとっての世界が広がる。パパ・ママ以外の大人を信頼することを学ぶ」
  • before「子供と一緒にいる時間が減ってしまうと、親子の間で愛着形成ができなくなってしまう」→after「家に帰ってきてから、たくさんたくさん抱きしめたり遊んであげたりすることで、子供は十分愛着形成ができる。パパともママとも信頼や愛着を形成することができる」
  • before「子供は保育園に行きたくないから保育園の玄関先で泣いてしまう」→after「子供は保育園を楽しむしとても好きになるけれど、一番の理想はママと一緒に保育園に行くことなので、玄関でママが一緒に来てくれないことに気づくと泣いてしまう」「今日こそはママと一緒に保育園に行けるかもしれない、と思いながら登園しているらしい」

 愛着形成がちゃんとできているな、と感じる場面は、保育園に行った後も何度かありました。実際、保育園に行き始めて以降、「家に帰ってくるとずっとママに抱きついて離れない、寂しそうにしている」なんて様子はほとんどありませんでした。

 むしろ「パパやママから遠く離れたところでも、パパやママが見守っていてくれるなら安心して一人で遊ぶことができる」様子のほうが増えました。特に、両親からかなり離れたところまで一人でトコトコ歩いて遊びに行く様子などを見ていると、「自分が親から離れてしまっても怖くない」ことを学んだのだろうと思わされます。

 こうした経験は、本人の自信を育て、冒険的・活動的になること助け、積極的に挑戦するチャンスを増やしてくれるだろう、と私は思います。そういう意味でも、「自分は親から離れても大丈夫」「親から離れても自分は愛されているし守ってもらえる」という信頼を構築するきっかけとして、保育園という場所は子供の成長にとって大切な存在になるのではないでしょうか。

 

5. まとめ

 ダラダラと書いてしまいましたが、今回の記事でお伝えしたいことはこちらです。

  • 子供は1歳ぐらいからめちゃくちゃ動き回るので、専属で見る人がいないなら預けたほうがいいと思う。
  • でも最初の1ヶ月は感染症がすごいので休職中のほうがいい(まともに働けないくらい風邪を引く)。
  • 保育園の前に託児サービスで慣れておくと親も精神的に保育園を利用するハードルが下がる。

 お住まいの地域や職種の状況など、いろいろな要因により我が家とは条件が異なってくる方々も多くいらっしゃるとは思います。けれど、もしも1歳前後からの保育園の利用で悩んでいらっしゃる方がいましたら、こちらの体験談がなにかの参考としてお役に立てますと幸いです。