離乳食を食べない子が食べるようになるまでの経過
最近、過去のツイートを頼りに「その後お子さんは離乳食を食べるようになりましたか.....?」と聞かれる頻度が増えてきたので、その回答用としてブログにまとめました。
なおうちの子は1歳5ヶ月ぐらいでようやく安定して離乳食が食べられるようになりました。
- はじめに
- 生後5ヶ月
- 生後6ヶ月
- 生後7ヶ月
- 生後9ヶ月
- 生後10ヶ月
- 生後11ヶ月
- 生後12ヶ月
- 生後13ヶ月
- 生後14ヶ月
- 生後15ヶ月(1歳3ヶ月)
- 生後17ヶ月(1歳5ヶ月)
- 生後18ヶ月(1歳6ヶ月)
- 経過まとめ
- 子供の口腔機能のこと
- 離乳食の遅れが気になったら
はじめに
うちの子は離乳食の進みがとても遅い子でした。
それでも2歳になった今は、両手にアンパンマンウインナーを握ってモリモリ食べるくらいになりました。
食べられるようになるまでの経過について、順を追って説明していきたいと思います。
なお予めお伝えしておきますが、残念ながら、「こうすれば食べてくれるようになった!」「このアイテムがとっても効果てきめんだった!」といえるだけのヒミツの解決方法などはありません。
「いつかはきっと食べてくれるようになるんだ」という意味での参考にしていただければと思います。
生後5ヶ月
[コンディション]
- 親の指を入れても押し出さなくなり、舌で押し出す反射は弱まっている。
- 自分でおもちゃを持って噛む
- 親が食事中、親を見ながら口をもぐもぐ動かす。よだれをたらす。うーうー主張する。
- 離乳スプーンを自分で持って噛む
- スクワットしながらじゃないとミルクを飲まない
[進捗]
- 粉ミルクをスプーンで与えても吐き出す。
- 口に含む、もぐもぐすることはできるが飲み込むことができない。
- 食べたそうにしてるところにスプーンで差し出すとのけぞって嫌がる
- 離乳食を始めた時期から嘔吐やムセ込みが頻出
[効果がなかったこと]
- 目の前で楽しそうに親が食べる。嚥下の様子を見せる
- 歌って食事の合図をする
- 食器を変える
- 離乳食を食べている他の子の動画を見る
- マグにミルクを入れても自分から飲もうとしない。ミルク味で誘導しても食べる気が起きない。
[やや効果があったこと]
- 和風だしを使う
- 甘じょっぱい味に調整する。砂糖使う
生後6ヶ月
[進捗]
- ミルクにライスシリアルを混ぜて鉄分補給。
- キューピーのトマトゼリーで嚥下確認→送り込み嚥下はできるが突き上げが強い→嘔吐反射がまだ強いと判断。
- ゼリーなら時折飲み込める場合があり。
- ソフィーを購入し口腔内に刺激を与え嘔吐反射を減弱させる。
- ムセ込み時に湿性咳嗽あり。
- 慣れない味だと食形態がゼリーでも結構しっかり嘔吐してしまう。
- 以前食べた味だからといって二度目も食べてくれるわけではない。
生後7ヶ月
- ミルクすらまともに飲まなくなる
- 久世福の贅沢の極みだし+とろみにがっついて食べる。塩気がよさそう。
- 時折、少量だが作ったぶんを完食する日も出てきた。
- 嚥下が数回できるようになった。
[効果があったこと]
- すこし塩分をつける
- ちょっといいだしを使う
- ジャンパルーに入れたまま食べさせる
[効果がなかったこと]
- 離乳食湯煎保温システム(自作):食べるときはとても食べるけどムラが大きい
生後9ヶ月
[進捗]
- 「ママと同じものを口に運びたい」≠「ママと同じものが食べたい」。点検したいだけ。
- りんごを手づかみで持ってかじり取るけど吐き出す
- しゃぶる動作はない
- 嚥下が見られない
[効果があったこと]
- ママが目の前で食べてるとそれを奪おうとする
- 炊きたての新米を1粒ずつ手づかみで食べる(時々丸呑み)
- 食器を使わずに手に乗せる
[効果がなかったこと]
生後10ヶ月
[進捗]
- ハイハインだけは食べられるようになる
- 明らかに嚥下ができるようになる
- おやさいぼーるが時々食べられる
生後11ヶ月
[進捗]
- 保育園に行き始める。
- 食べられるものチェックのためにいろんな食材を食べさせてみていた。一口はかじってくれるが、それ以降飲み込むことはない。
- デコポンを手づかみでちびちびかじるくらいはする。
生後12ヶ月
[進捗]
- カケラを飲み込める程度。スープ5口は多い方。お粥のご飯粒は出す。
- 調子がいいときは一食に4g食べてくれるようになった(新記録)。
- 砂糖醤油味が効果的
- 12ヶ月末、野菜の味に慣れさせるために、ミルクに野菜フレークを混ぜ始めた。
- ぶどうジュースが好きなことが判明
[効果がなかったこと]
- アンパンマンのステップアップコップで少しは飲んでくれたが、以降は飲まなくなった。
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ここまでの記載における「食べる」「食べてくれる」は、「極稀に食べる日があることもある。しかし次の日も同じように食べてくれるわけではない」という意味であり、「それくらいの量なら毎日食べてくれる」という意味ではありません。
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生後13ヶ月
[進捗]
- ピジョンの一番小さいスプーンでようやく食べている頃。
- 13ヶ月直前の頃には15g食べられる日もあった。
- やさいジュレを10g食べてくれた
- 13ヶ月半でぶどうジュレ100g食べきった。
- 自分でスプーンを持って自分で食べようとする様子がある。
- 食事を食べきり、おかわりを要求するようになる。食後にデザートも食べきるようになる。
- とにかくスプーンで食べると大喜び
- フードコートで瓶のおやつを食べられるようになる。
- 食後にヨーグルトを70g食べてる
- 6ヶ月用離乳食のレトルトを食べ切れるようになる。
生後14ヶ月
- レトルト離乳食80gを食べきる+ゼリー80gを食べきる
- お粥80g、ヨーグルト70gを食事として摂取するほかに、ミルク240ml(お粥乾燥6g、やさい乾燥6g入)を飲んでいる
- ストロー飲みを習得。
- 14ヶ月半には、夜中のミルク(22時ごろ)を減らし始める。保育園のミルクを240→200ml/回×2に減らす。
生後15ヶ月(1歳3ヶ月)
- 保育園でのミルクを200→160ml/回×2に減らす。
- パンケーキを手掴みで少しずつたべるようになる。
- 用意したお粥160gを完食するようになる。
- 15ヶ月半には、ヨーグルト300gくらいたべる。
- 前歯でかじりとり、咀嚼してから飲み込むことを覚える。(それまでは全て小さいカケラを丸呑みしていた)
- 16ヶ月になる前には、保育園でのミルクが終了となる。
生後17ヶ月(1歳5ヶ月)
- 子供の方から突如ミルクを拒否し始める。哺乳瓶にイヤイヤするようになる。→卒乳することに。
- 手づかみで梨を食べる。自分の歯でかじり取って噛んで飲み込むことができる。
生後18ヶ月(1歳6ヶ月)
- お焼きを自分でフォークに刺して一口ずつ食べることができる
- 口の中に入れすぎることがなくなる
- 「頬に貯める」ことで咀嚼する量を調整できるようになる
経過まとめ
というわけで、うちの子が離乳食を食べられるようになったのは、「1歳3ヶ月〜5ヶ月ごろ」でした。そのため、我が家では「うちの子の口腔機能の発達は平均より半年遅れているっぽい」という視点で見守ることにしています。
何が効いた、何が良かった、とかははっきりとは言えないのですが、時が来るのを待つ、しかなかったのかなあと振り返って思います。
ちなみに、「ミルクにライスシリアルを溶かす」ことについての詳細は、こちらの記事にまとまっています。
その他、子供の経過について気になっていることを次項にまとめます。
子供の口腔機能のこと
(1)吸啜窩が深い?気がする
うちの子の離乳食の進みがあまりに遅いことに加え、「スクワットしながらじゃないとミルクが飲めない」「すぐにむせて吐いてしまう」ことが気になり、うちの子の嚥下や口腔機能のほうを疑う時期がありました。
そこで歯科口腔領域の文献などを取り寄せてみた所、(専門に勉強した身とはいえないのですが)、うちの子の吸啜窩(硬口蓋のくぼみのこと)はやや深めなほうの症例に近いかたちに見えました。
(2)お口ポカン(口唇閉鎖不全)
上記に加え、うちの子は写真を撮るときにいつも口が開きっぱなしになっていることも気になりました。それもあって、1歳8ヶ月ごろに小児歯科で口腔機能検査を受けました。
すると、やはり舌の動きやすさや口腔の形にやや問題があったようです。おしゃぶり(NUK)などを利用したトレーニングをするよう指示を受けました。
離乳食との関連についてははっきりとはわかりませんでしたが、飲み込みやすさ、口の中から喉まで運ぶ動きの苦手さなどの、要因の一つとしては関わっていたかもしれません。
(3)言葉が増えない
発語の発達は年齢相応で、語彙も基準値程度、2語文、3語文も年齢相応に話せており、ひと月ごとにその範囲を増えてきています。しかしながら特徴的な「話せなさ」がある様子が見られます。
例えば下記のような言葉は話すことができます。
「ママ」「パパ」「ぶーぶー」「わんわん」「ねんね」
:1種類の子音から成る同じ音を繰り返すことで成立する語彙
「あか」「あお」「あめ」「いも」「えび」「うみ」「あっち」「いった」「いや」
:1種類の子音+1種類の母音からなる音で構成される語彙
そのため、
「ぶーぶー、あった」
「パパ、あっち、いた」
というような、文章を話すことはできます。
また、ある程度の簡単な指示であれば聞き分けることができ、自分が発音できない語彙のものの名前を言われても指し示すこともできます。
そのため、言語的な聞き取り・理解の部分の発達は年齢相応なのではと考えています。
しかしながら、複雑な子音の組み合わせを発音することは、現時点の我が子(2歳2ヶ月)には難しいようです。
例えば、「かさ」「きいろ」「ねこ」のような、複数の異なる子音が含まれている語は、どんなに短くても復唱することができません。
「ねんね」「ここ」は発音することも復唱することもできますが、「ねんね、ここ、ねこ」と順に言わせてみると、「ねんね、ここ、......」と黙り込んでしまいます。
ここからは推測になりますが、もしかするとうちの子の場合は、「口の動きの不器用さ」があるのかもしれません。口の動きに関するなにかの動作を真似しようと思ったときに、複雑な動きとなる場合は、どう動かして真似したら良いのかがイメージしにくい状況があるのかもしれません。
また、そうした不器用さは、より幼い時期には飲み込みの方にも影響していたことも十分想像されます。
離乳食を食べるだけでも半年遅れだった子ですから、もしかすると、「発音」できるようになるのにも、追加で半年必要になるのかもしれません。
なお、補足ですが、うちの子は口の動き以外の運動能力(体全体の動き)に関してはむしろ年上の子を超えるくらいの筋力があったりするので、必ずしも「すべての運動機能が落ちている」というわけでも無いのかもしれません。
離乳食の遅れが気になったら
1. 小児歯科を受診してみる
これは皆さんに言えることとは限らないかもしれませんが、一つの案としては、「小児歯科を受診してみる」のも良いかもしれません。それで離乳食が食べられるようになるとは限りませんが、「離乳食の進みがおそい理由がわかるかもしれない」という意味では、一つの安心材料や目安にできると思います。
2. 離乳食で摂る必要があるものを、離乳食以外の手段で確保する
私が離乳食の進みを気にした最大の理由はこの点でした。特にアレルゲンのチェックや鉄分の補給など、そういう面ではかなり焦っており、離乳食から摂取できないことを理由にストレスを感じる日もありました。
けれど最後は吹っ切れて、「栄養だけなら口から入ればいいんだ!」と考え、ミルクに混ぜるようになりました(上記の経過記録にも記載しています)。この点については後日別途ブログ記事にまとめようと思います。
[追記]まとめました
とにかく、「離乳食に必要な栄養はミルクに混ぜて補いながら」「時々小児歯科に相談したりしつつ」「子供の発達をひたすら待つ」という、時間稼ぎ作戦で行ってみる、という考え方はいかがでしょうか。
離乳食が遅れること、とてもつらいと思います。
でもどうか、こういう例もあるんだな、という気持ちで参考にしていただければと思います。
このブログが少しでも子育てのお役に立てましたら幸いです。