自宅における卵黄経口摂取 覚書
我が子には卵アレルギーと小麦アレルギーがあります。
それに関しての経緯と自宅での注意点について自分用にまとめようと思います。
――これは実話であり、関係者による記録と分析、関係者の証言を元に構成しています。
- 1. これまでの経緯
- 2. 自宅での「加熱卵黄」の作製
- 3. 激しい嘔吐
- 4. 推奨調理方法の確認
- 5. 再検証
- 6. 受診
- 7. 家庭における「(仮称)医学的固茹で卵」の製法(改訂版)
- 8. 卵白の混入の可能性についての検討
- 9. 背景因子についての考察
- 10. あとがき
1. これまでの経緯
2020年3月出生
その後、生後4〜6ヶ月ごろから、卵や小麦を摂取すると、摂取から数時間後に頻回の嘔吐がみられる様子があった。
2020年11月(生後8ヶ月)
プリックテスト(抗ヒスタミン剤内服下)で卵白、卵黄、小麦で陽性
※抗ヒスタミン剤内服下で実施されたのは、当時担当していた先生の確認ミスによるものです。
→完全除去を継続
【採血データ】2021年3月(生後12ヶ月)
2021年8月(1歳5ヶ月)
卵白での食物負荷試験を実施。
(卵黄ではなく卵白から開始したのは、採血上の数値や乳児期での嘔吐の反応が卵白のほうが弱かった経験があったため、保護者の方から依頼)(FPIESの可能性を考慮したため)
→0.5g刻みで30分おきに摂取。加熱卵白1g食べたところで全身の発赤、掻痒、咳嗽、尿量低下、酸素化低下などあり。(酸素吸入あり、アドレナリン投与なし。血圧は抵抗が強いため測定せず)
→卵白の完全除去継続
【採血データ】2021年10月(1歳7ヶ月)
→卵白の感作がさらに進んだと考えられた。
2021年11月(1歳8ヶ月)
卵黄での食物負荷試験を実施
→加熱卵黄1/2個分を摂取しても症状なし。
(翌日は腰部に発疹出現)
→これ以降、「自宅でも加熱卵黄1/2を週2回まで。体調がいいときに実施」と摂取の指示あり。
2. 自宅での「加熱卵黄」の作製
11月末に経口負荷試験で卵黄完全除去が解除されたが、以降も風邪やら湿疹やらが頻発し、なかなか挑戦する機会がなかった。
2022年2月8日(子供は1歳11ヶ月)、夫が以下の手法で「固茹で卵」を作製。
- 冷蔵庫から取り出した冷たい卵を
- 冷水に入れて
- ガスにかけて煮沸
- 100均で販売されている「ゆで卵タイマー」を参考にし「固茹で」のサインが出たところで加熱停止
- すぐに卵白と卵黄をとりわけ、卵黄についていた卵白も剥離。割面は肉眼で「固茹で」だった
上記の「加熱卵黄」を、一度冷凍したのち、5時間後に約1/8個ぶんを取り出し、子供の夕食に混ぜ込んで摂取させた。
3. 激しい嘔吐
子供の食前の体調は非常に健康そのもので、機嫌もよく、食欲も旺盛。18時半ごろに摂取。摂取中に皮膚症状などはなく経過。
摂取から2時間半後、21時ごろから不機嫌そうな啼泣の後に激しい嘔吐が頻回に続く。嘔吐のあとは度々水分を欲しがるが、水分を摂るたびに10-30分で再度嘔吐してしまう。嘔吐後も皮膚症状なく経過。体温36.7℃。
22時半に吐き気止め目的で五苓散坐剤を挿入するも、なお嘔吐が続く(これまでの経験上、感染性胃腸炎であれば挿入後1時間後には嘔吐が治まっていた)。嘔吐は0時過ぎまで続いた。30-40cc摂取しても30分後には嘔吐してしまう状況。
0時すぎに病院受診し(受診後も嘔吐有り)、1時からアタラックス-P®と補液の点滴を開始。点滴刺入時、激しく泣いて抵抗したが、流涙見られず。受診時体温37.4℃。
点滴が30mLほど入ったあたりから、水分を経口摂取しても吐かなくなった。30分以上かけて280ccのりんごジュースを飲みきり、その後は薬の影響もあり入眠。抜針時には流涙も見られた。
4. 推奨調理方法の確認
一般的な「固茹で卵」の調理時間としては、下記のように「12分」程度が推奨されている。
ゆでたまごの作り方(半熟から固ゆでまでのゆで時間のまとめ):白ごはん.com
一方で、「厚生労働科学研究班による食物経口負荷試験の手引き2020*1」によると、
卵黄1個をつなぎとして使い調理したもの
:生の状態で卵黄だけを取り出して全量を調理に使う。蒸し焼きにするなど十分に加熱し、卵によく火を通す。
固茹で卵
:沸騰後20分茹でる
と、記載されている。
また、周知の事実として、「固茹で卵は作成してすぐに卵黄と卵白を分離することで、卵白に含まれるアレルゲンが卵黄に移行することを防ぐ」ことができる*2。
また、下記*3によると、
調理法別に検討した全卵50g中において、生卵と比較した場合の抗原残存率
- 12分 固茹で卵 : 0.01%
- 20分 固茹で卵:0.005%
(2)オボムコイド(OM)
- 12分 固茹で卵:11.77%
- 20分 固茹で卵: 6.12%
と、茹で時間12分と20分の間では、残存する抗原の量にはおおよそ倍の差があると記載されている。
5. 再検証
そこで我々は、夫が実際に作成した「固茹で卵」が何分程度加熱されたものであったのかについて、同様の手法で再度作成し検証することにした。
- 冷水→沸騰までの時間:10分
- 沸騰→「ゆで卵タイマー」に「固茹で」のサインがでるまで:6分
- その後、肉眼的に割面を観察したところ、中心部にやや加熱が不足:初回に作成したものは肉眼的には内部まで加熱されているように見えたため、実際にはもう少し長く加熱していた可能性あり。
- 卵黄1/8:残っていた冷凍卵黄を実測したところ、平均で1.7g
「冷水から加熱」という開始条件の違いはあるものの、「沸騰してから20分」という加熱時間と比較すると、明らかに加熱時間が不足していた。初回作成時を振り返り、夫も「これより1,2分長くなることはあれど、ここから更に5分10分茹でたりはしていなかっただろう」と振り返っている。今回初回に作成した「固茹で卵」は、最短でも16分、沸騰してからは最短でも6分の加熱しか行われていなかったと考えるべきであろう。(なお、実際に子供が食べた分を作成した当時は、他の家事を並行しながら行っていたため前後数分のズレがあったと予想される。)
※「沸騰」の定義については下記を参考に修正しました。
沸騰の判断基準は? 料理の出来を左右する泡の大きさについて | 台所通信
6. 受診
同日朝にかかりつけ小児科医を受診し、以前からの経過も含めた上で、「昨夜の嘔吐はアレルギー反応だったと解釈しても良い」との返答を得た。また、「再検証は1週間以上開けてから」「自宅で再検証しても同様の症状がまたみられるようであれば、病院で再度経口負荷試験も検討」との指示もあった。
なお、点滴実施以降は嘔吐もなく食欲も旺盛で、機嫌よく遊んでいる。また軟便傾向はみられたものの、下痢や発疹、発熱などの症状はみられていない。
また、実際に卵黄での食物経口負荷試験を行った際に提供された「蒸しケーキ」の調理方法について、病院の栄養科に問い合わせていただいたところ、下記のように作成しているとのことだった。
材料:かぼちゃ(皮取り)、卵黄1個、砂糖4g
- 卵黄は生の状態で事前に卵白から取り分ける
- スチームコンベクションオーブン 焼モード170℃ 15分 蒸気30%
7. 家庭における「(仮称)医学的固茹で卵」の製法(改訂版)
結論としては、「加熱が不足していた固茹で卵黄を摂取したことによるアレルギー反応」の可能性を第一に考えるべきであろう。
なお他の可能性としては、卵白が混入した(後述)、前回負荷試験以降に反応が強くなった、なども考慮される。
今後、自宅での卵黄摂取については、下記の手法で実施を検討している。
【(仮称)医学的固茹で卵】
- 水を鍋に入れ、沸騰させる
- 沸騰してから卵を入れる
- 20分間茹でる
- 卵を取り出し、黄身と白身に分ける
- 取り出した黄身を細かく刻む
- ジップロックコンテナに入れ冷凍
- 使用する際は重量を計測してから使用(0.5g/日程度から開始予定)
この条件で作成した「卵黄」を、各種食材に混ぜ込んで様子を見る。
上記条件でも症状が見られた場合は、病院でのスチームコンベクションオーブンを使用したレシピを再現し、自宅で検証予定。それでも症状が出るようであればかかりつけ小児科に再度相談の方針。
なお、茹でる前の卵に関しては、冷蔵庫から取り出してすぐのものを使用することで、事前の温度条件を一定に保つことが可能となる。
常温にもどさず、冷蔵庫から出したての卵を使う
常温は季節によって温度が異なりますが、冷蔵庫の卵は温度がいつも一定しているため、毎回思った通りの固さに仕上げることができます。
お湯からゆでて理想の固さに!ゆで卵の基本レシピ | 卵料理の基本 | 料理の基本 | とっておきレシピ | キユーピー
実施時は以下の条件も満たすようにする。
- 風邪や肌荒れなどの症状がない時期を選ぶ
- 事前に休暇を申請し二人体制を確保
- 平日午前中に開始
- 実施1時間前には抗ヒスタミン剤を服用させる
なお、「加熱した卵黄を冷凍した場合における抗原の変化」についてはまだ十分な情報が見つかっていないため、発見し次第補足する予定。
上記内容を実施した結果を後日更新予定。
8. 卵白の混入の可能性についての検討
2021年8月(1歳5ヶ月)時点で実施された卵白の経口負荷試験では、加熱卵白1gの摂食で発赤や掻痒、咳嗽などの症状が見られており、嘔吐などの症状は見られていない。
その時点で卵白による症状の可能性は積極的には疑われにくいが、調理の工程の問題として、微量であっても卵白の混入は生じうる。
*4によると、
卵黄に残留した卵白と卵黄膜の合計量は0.7g (0.6~1.0g, n=6)
との結果が得られている。
仮に今回作成した卵黄に1gの卵白が残存していたと考えた場合、1/8個に分割しているため、概算し0.125gの卵白が摂取された可能性は考えられる。
実際の卵白の経口負荷試験時では、0.5gの摂取では「やや不機嫌になる」程度の症状のみが見られており、今回のような嘔吐などの症状は確認されなかった。ゆえに、それ未満での卵白摂取で今回のような症状が出たとは考えにくい。
以上より、今回の発症においてより疑わしい可能性として考えられるのは、「卵黄の加熱不足」であると推察される。
9. 背景因子についての考察
以下に、「なぜこのタイミングで」「なぜこの状況で」発生したのか?についての考察を記載します。
(1)心理的要因 - 楽観的予測のきっかけ
今回記載した、「(仮称)医学的固茹で卵」のレシピについて、離乳食を作ったことがある方ならば見覚えがあるかと思います。そう、「離乳食初期の時期に卵黄からトライする場合の調理法」として紹介されていることが多いですね。
20分程度しっかりゆでた卵の卵黄だけを取り出して、離乳食のスプーン1杯分くらいあげてみましょう。ゆで卵黄を準備する際、卵白の成分が卵黄に溶け出して移ってしまう事がありますので、ゆでた後の卵黄はすぐにとりわけます。
卵を使った離乳食の進め方を教えて下さい。|Q&A|パルシステムの育児情報サイト~子育て123~
卵は加熱するとアレルギーを起こす力が弱くなるのと、卵白でアレルギーを起こすことが多いので、20分間ゆでた、かたゆで卵の卵黄から試しましょう。
実を言うと、私自身も今回のことがあって原因について考えていた際、一晩寝てから真っ先に思いついたのがこの「離乳食初期における茹で時間」についてでした。(そういえば20分っていうのなかったっけ......)程度のうろ覚えでしたが。
けれど夫が固茹で卵を調理していた際にそれを指摘できなかったのも事実です(私は発熱で寝込んでいたという背景もあります)。
もしも夫が今回のミスを回避するチャンスがあったとしたら、1歳11ヶ月の子供の、完全除去から摂取開始に変更された直後に、自宅で食べる卵黄として「離乳食初期用の作り方を確認しなきゃ」という着想が得られたか、というのがポイントになったのかもしれません。
けれど、食物経口負荷試験を経験している以上、離乳食を始めたばかりの乳児のような「一番最初に食べる卵黄」というわけでもありません。
ましてや、病院での経口負荷試験では「卵黄1/2個分」を食べることができていたのです。耳かき1杯分程度の微量な量だけ食べられた、なんて結果なら神経質にもなるでしょうが、これまで完全除去をしていた食材が1/2個も食べられた、という結果は、「けっこう行ける」という感覚を抱くに十分な結果だったのでは?と予想します。
卵黄の経口負荷試験当日は、夫が保護者として同伴し、子供が蒸しケーキをもりもり食べて、食べ飽きてしまうところまで見ていました(食べ飽きてしまいそれ以上食べなかったため、卵黄1/2個分で試験は終了となりました)。食べ終わった後も特に症状が出ることもなく、元気に遊び回る様子を見て、「まだまだ食べられそう」という期待感すら抱いたことでしょう。
アレルギー症状が非常に強く出た卵白の経口負荷試験の際は私(妻)が同伴したため、夫は強いアレルギー症状を実際に見ていなかった、という要素も関係していると思われます。
実際、(厳密な加熱時間の指導がなかったらしい様子を見ると)その「けっこう行ける」という感覚は、もしかすると小児科医の先生側にもあったのかもしれません。
*5を参照しますと、今回の場合は「もともと完全除去例」だったが、卵黄での負荷試験の結果は陽性(アレルギー症状らしい症状が検査後に出現しない)ではなかったことから、「陰性・判定保留」と判断されたと考えられます。また、その場合の対応として、
- 総負荷量を超えない範囲までを「⾷べられる範囲」とし、⾃宅でも症状が出現しないことを確認する。
- 安全性を配慮し、許容量は「⾷べられる範囲」の上限より少なめに設定すると良い。
といった記載があるため、これに従い「自宅でも加熱卵黄1/2を週2回まで。体調がいいときに実施」という指示が出たと考えられます。
今回の件の直後、夫が「こんなにひどい症状がでるとは思わなかった」「もっと軽く済むと思った」とこぼしていたのも、そういった食物経口負荷試験時の印象が強く残っていたことが原因の一つとして関与していたことを疑わせます。
(2)時間的制約と、ダブルチェック機構の破綻
上記の考察をもとに、後日、当事者(夫)に聞き取り調査を行ったところ、以下のようなコメントが得られました。(本人の許可を得て掲載します)
- まず第一に、ゆで卵作製前の時点で、失敗した時のイメージが一切持てていなかった。楽観的予測があった。
- 「もしも家庭内でアレルゲンを摂取するとなった場合、家庭内に人員的バッファが必要な状況になる」という想像ができなかった。
- 加えて、協力者(妻)のワクチン副反応による症状の強さも想定できていなかった。
- 監督者(妻)による作製時のダブルチェックが必要であるという可能性に思い至らなかった。
- 故に、現状が家庭内にバッファがない状況であることに気づく以前に、「バッファが必要である」こと自体を全く想定できていなかった。
- 子供が風邪や皮疹などなく数日過ごし、体調がいい状態がようやく保てるようになった。これを得られるまで3ヶ月程度既に経過していたため、「早めに卵黄を食べさせたい」という気持ちがあった。体調が良いのは今だけかもしれない、という焦りがあった。
- 以前購入した卵の消費期限が迫っており、「早めに作り置きをしなければ」→「アレルギー対策用の卵黄を今日のうちに作ってしまおう」→「今日は子供の体調も良いし、せっかくだから今夜試してみよう」、という発想に至った。
- もともとガスを節約し予熱調理を好む傾向があり、最低限固茹で卵になる加熱で良いだろうと考えていた。
- 病院から指示された「卵黄1/2個」よりも少ない量(例: 1/8個)であれば、アレルゲンとしての影響が出る可能性を考慮しなくてもよいと思った。食材として使用することができ、ワンオペでも対応ができると考えた。
よって上記の発言とこれまでの分析から、時系列をまとめると以下のような流れであったことが予想されます。
- 食物経口負荷試験を実際に見たことで、「けっこう行ける」という心理的安心感を得る。
- 卵の消費期限が迫っていた。
- 「子供が体調不良ではない」という条件がようやく揃ったため、体調がいい今のうちに食べさせたいという焦りがあった。
- 楽観的予測に基づき、ダブルチェックが機能しない状態で作製→実践
つまり、楽観的予測と時間的焦りにより、ダブルチェック機構が破綻している状況であること、そしてダブルチェック機構が破綻している事により生じうる危険性に気づくことができなかった、と言えるでしょう。
実を言うと、私(妻)側は以前、アレルゲンの早期曝露に関して詳細に調べていた時期がありました。下記は、2020年7月(生後4ヶ月ごろ)に私が作成し、実際にキッチンに掲示していた資料の一部になります。
そのため、私のほうでは「ゆで時間20分」という知識が身についていましたが、当日(2/8)はワクチン3回目の副反応により、38〜39℃台の発熱が出ており、冷静な対応ができる状況ではありませんでした。
また夫側についても、「子供が生後6ヶ月になる以前は、過労のために記憶が曖昧」という要因も大きく影響したと考えられます。上記の掲示内容は、鶏卵アレルギーが指摘され完全除去の指示が出されて以降は、掲示を取りやめています。上記を掲示していた期間であれば内容に従うことはできても、掲示もされていない指示書きのその内容を1年以上も覚えておくのは困難だったと考えられます。
せめて私が健康で、かつ、ゆで卵製作以前にコメントができる状況にあれば、「ゆで時間20分にしたほうが良いんじゃない?」と一言伝えることができたと思いますが、その可能性は「卵の消費期限」という時間的制約によって阻害された、と言えます。
もしくは卵黄を実際に食べさせる前に「どうやって作ったの?」と確認をすることで食い止めることもできたと思われますが、それは発熱により夫にワンオペを任せていたことで、結果的に阻害された形となりました。
(3)具体的な解決方法を検索することの困難さ
今回の件を通して調べ作業をして気づいたのは、「食物経口負荷試験で推奨されている調理方法」に関しては詳細な記載がありましたが、「食物経口負荷試験で完全除去から摂取開始になったあとの自宅での推奨調理方法」はみつけられなかった、ということです。
下記*6には、具体例として「加熱全卵1/8個が摂取可の場合に食べられる可能性の高い食品の量」の記載はありますが、加熱卵黄に関しての記載はありません。
また、「食物アレルギー診療ガイドライン2021(2021/11/13 発売)」にも加熱卵黄の調理に関する記載はみられませんでした。
このような条件下では、たとえ加熱卵黄の調理方法について調べようと思っても、容易にその答えを得られることはなかったでしょう。負荷試験に使用する食材の調理方法を調べることがもし仮に可能であったとしても、それはあくまで「負荷試験用の調理法だ」と受け止めてしまえば、実践することにつなげるのは難しかったと思われます。
これに関して、いくつかの病院のページなどを参照していましたが、経口負荷試験で食べるものを自宅から持ってきてもらうクリニックなどもあるようです。(調理室の有無なども関係しているのかもしれませんが)
持参して貰う場合は品質が病院単位で管理できない代わりに、親御さんが「このくらいなら大丈夫」というのを実感しやすいというメリットもあるのかもしれません。
なお、*7には下記のような記載はありました。
負荷試験食のレシピなどの情報を患者や保護者に提供し、自宅でも摂取できるように工夫する。
ですので、今回発症後に改めて病院を受診し、調理方法について確認をしたのは重要なポイントだったようです。
(4)結論
振り返ってみて理想を言えば「離乳食での卵黄の始め方を思い出すべきだった」「妻にも余裕があるときに挑戦すべきだった」ということは簡単ですが、それを想起するのにはやや難しくなるような心理的・環境的背景因子がいくつもあったのでは、と考えます。加えて、もしも仮に一度立ち止まってみて、夫自身が「卵黄の完全除去から摂食開始になった場合の調理方法」というのを調べたとしても、それに対する適切な答えは容易には得られません。
現実的に「離乳食レベルから開始する」ことが実行可能な条件がそろっていたと考えるにはやや困難な状況だったと考えるべきではないでしょうか。
10. あとがき
完全に事故調査委員会かなにかの症例報告のようなブログの内容になってしまいましたが、これはあくまで趣味と実益を兼ねたものとなっております。
もともと夫自身も、労災事例などの分析を読むのが好きであり、また、番組「メーデー!: 航空機事故の真実と真相」のファンでもあります。私が仕事柄、医療事故についての考え方を叩き込まれているという要素も大きいです。
(「メーデー!ならここまで言及するはずだから、せっかくだし全部書いて!」と夫からの発言もあり、ここまでの長さになりました)
人間である以上、ミスは起こりえます。そしてミスに対して、当事者に責任を追求するだけでは、再発防止に至るとは言い難いです。
そのミスが構造的な部分から改善できるのであれば、そこから改善を試みることができます。また今回の事例をもとにして、類似事例に対しても再発防止策を事前に準備することができるでしょう。
我々の今回の反省が他の事例の予防に生かされることを願っています。
*1:厚生労働科学研究班による食物経口負荷試験の手引き2020 巻末資料3
*2:坂井 堅太郎: ゆで卵の作成と放置に伴うオボムコイドの卵黄への浸透, アレルギー, 47(11): 1176-1181, 1998
*3:伊藤 節子: 食物アレルギー患者指導の実際, アレルギー, 58(11): 1490-1496, 2009
*4:ゆで卵白1.0gの摂取が可能な鶏卵アレルギー児に対する生の状態で取り分け加熱した卵黄1個の経口負荷試験
*5:厚生労働科学研究班による食物経口負荷試験の手引き2020 実践編
*6:厚生労働科学研究班による食物経口負荷試験の手引き2020 試験後の食事指導
小児とカロリーメイトゼリー
子供にカロリーメイトゼリーをあげてよいのかについて、栄養価や公式の回答なども含めて確認をとりましたのでブログにまとめます。
結論だけかんたんに確認したい方は、「まとめ」をご覧ください。
1. 我が家には必須だったカロリーメイトゼリー
卵と小麦のアレルギーがある我が子にとって、カロリーメイトゼリーはなくてはならない存在でした。なにしろ、
- コンビニやドラッグストアなど、全国どこでもかんたんに手に入る。
- 卵、小麦不使用。(含まれているアレルゲンは乳成分、りんご、ゼラチン)
- ゼリー状のためパウチゼリーが食べられる年齢から摂取できる。
- ある程度のカロリー(200kcal)と各種ビタミン等が摂取できる。
- タンパク質もしっかり摂取できる(8.2g)
- まとめて購入してもある程度日持ちする。
- 外出先や車内でのお弁当代わりにピッタリ
- 食欲がない時や病気のときにも便利
- 食事に集中できない日が続いていても、これさえ飲んでいれば一定以上の栄養価がカバーできる(白米だけ食べてるよりずっとマシ)。
- 朝急いで登園するときも車内でさっと朝ごはんとして食べさせられる。
- 子供も好きなアップル味やフルーティーミルク味
と、それはもうとても便利でした。
しかしながら、あくまで小児用に作られてはいない商品です。栄養価の調整などが気になったので、今回改めて確認してみました。
2. 十分すぎた栄養バランス
ゼリータイプ | 製品情報 | カロリーメイト公式サイト | 大塚製薬
公式サイトを確認しますと、
ビタミンは1日に必要な量の約半分!
※1日に必要な量は「栄養素等表示基準値」をもとにしています。
との記載があります。
(おそらく)大人用に作られた商品で、「約半分」と記載されているのが気になりました。つまり商品としては1日でも2パックまでの摂取を想定していると考えられます。
そこで心配になってくるのが、「脂溶性ビタミン」と呼ばれる4つのビタミン(ビタミンD, A, K, E)のうち、特に摂取上限のレンジが狭いビタミンAです。
(「脂溶性ビタミンはこれDAKE!」って覚えてね)
脂溶性ビタミンは体の中に溜め込まれやすいため、過剰に摂取した際にそのぶんだけ体内に貯蔵されやすい性質があります。
※特に動物由来(レバーや肝油など)のビタミンA(≒レチノール)が蓄積されやすいようです。植物由来のカロテノイド(≒βカロテンなど)は必要なぶんだけビタミンAに変換されるようです。
※ビタミンAの過剰症では、頭痛や嘔吐などの症状がみられることがあるとされています。
下記のページを参考に見てみますと、子供の目安量と耐用上限量はざっくりとこんな感じになります。
全年齢についての記載はこちらが詳しいです↓
※上記の健康長寿ネット内のソースは下記の厚生労働省のページから持ってきているようです。
この数値を見て、
「目安量の2倍摂ったらもうオーバーなの?!範囲せっっっっま!!!!」
と思ったのが第一印象でした。
ほかの脂溶性ビタミンは耐用上限量が10倍(ビタミンD)とか40倍(ビタミンE)とか上限なし(ビタミンK)なのに、ビタミンAだけ2倍?!と狭い。あまりに狭い。そして更に嫌な予感は的中しました。
カロリーメイトゼリーの栄養価を確認しますと、ビタミンAは1パックあたり385μg含まれています。
「1-5歳児は1日2パック食べたらもうオーバーしてるじゃん!!!!!」
いやー、ショックでしたね。カロリーメイトゼリーは素晴らしく便利なアイテムではありますが、連日3食/day使うわけにはいかない、いざというときのための最終手段だったようです。
(一応、「日本国内だけの基準だったりしないかなー......他国だと上限緩かったりしないかな」と他の国の文献も確認してみましたが、だいたい同じくらいの数値が記載されていました)
Vitamin A in pediatrics: An update from the Nutrition Committee of the French Society of Pediatrics
3. 大塚製薬に問い合わせてみた
ちょっと心配になってきたので大塚製薬にメールで問い合わせてみたところ、送った当日に返信がきました。
この度は、カロリーメイト ゼリーにつきましてお問合せをいただき、誠にありがとうございます。
カロリーメイトゼリーに使用しているビタミンAはレチノールでございます。
βヨノンから合成されたビタミンA油を原料としております。
レチノール!!つまり蓄積するほうのビタミンAですね!アカン!!!やっぱり1日1パックまでだこれ!
お子様のビタミンAの1日の耐容上限量がございますので、ご留意の上、ご利用いただければ幸いに存じます。
と、しっかり釘も刺されました。(気をつけます......)
しかし一緒にありがたいコメントもついておりました。
カロリーメイトゼリーは食品ですので、ご利用いただく年齢に制限はございません。
離乳食が完了したお子様であれば、お食事の補助としてご利用いただけます。
「子供に食べさせてはいけないものではない」というお墨付きを公式からいただくことができました。この点については安心できますね。ありがたいです。
4. 使用上限量を計算してみた
(1)1週間単位で計算してみる
そうは言っても、「子供が具合悪くてどうしてもこれしか受け付けない」「今日この日さえしのいでくれれば......」っていう日は子育てしてるとありますよね。
それに、栄養価だって「毎日1日摂取推奨量を死守する」わけじゃなくて、前後数日で平均して合計で目標量が摂れてればいいので、1週間のなかに摂取量のムラがあってもいいと思うんです(私感です)。
(例えば、「前日2パック摂ったら翌日は摂取を控える」など)
(とはいえ、1食に2パック連続で摂取するのは急激にビタミンA摂取量が多くなりすぎると思われるのであまり推奨はできないと思います)
そこで、「1日1パック」ではなく、「1週間で考えるとどのくらいまで使えるのか?」を計算してみました。
カロリーメイトゼリーのビタミンA含有量が385μg/パックで、1-2歳でのビタミンA耐用上限量が600μg/日なので、単純に計算すると、
7日間→耐用上限量は600×7=4200μg
4200/385=10.9パック
よって、「1週間に10パック摂ってるとかなり上限ギリギリ(11パックは確実にとりすぎ)」というのがわかります。
また、カロリーメイトゼリーの他に口にするものからビタミンAを摂取する可能性もありますので、これよりも少ないくらいが理想的と言えるでしょう。
(2)フォローアップミルクとの併用を考える
子供向けの食品で、栄養バランスが整えられているものと言えば、そう、フォローアップミルクですね。これにもやはりビタミンAが含まれているため、カロリーメイトゼリーの摂取量を気をつけていてたとしても、フォローアップミルクからビタミンAが追加されて最終的にオーバーしてしまうようでは意味がありません。
そこで、「1日あたりカロリーメイトゼリーを1パック摂取した場合のフォローアップミルクの摂取上限量」を計算してみました。
我が家で使用しているフォローアップミルク、「ぐんぐん」に含まれるビタミンAの量は、100gあたり360μgです。スプーン1杯=7gあたりで50ccぶんのフォローアップミルクが作れますので、それを元に計算すると、
600-385=215μg (1日あたり摂取できるビタミンAの残りの量)
7g=50ccあたり 25.2μg (ぐんぐん50ccあたりに含まれるビタミンAの量)
215/25.2=8.5杯
8.5×50=425cc
よって上記より、カロリーメイトゼリーを1パック飲んだ日は、ぐんぐんの摂取量を、多くても400ccまでに抑えておいたほうがよいようです。
またフォローアップミルクだけではなく、ビタミンAを多く含む肝油ドロップなどを使用しているご家庭の場合は、カロリーメイトゼリーを摂取した日は肝油ドロップの摂取を控えたほうがいいかもしれませんね。
5. おまけ
ちなみに、何でも入ってそうなカロリーメイトゼリーですが、実は鉄分は含まれていません。0です。そのため、鉄分をカバーしようと思ったら別なものを検討する必要があるようです。
そこで気になったのが、森永のゼリー飲料であるinゼリー。鉄分補強タイプも販売されているのですが......
inゼリー マルチミネラル | inゼリー・inバープロテイン | 森永製菓株式会社
- 乳幼児・小児は本品の摂取を避けてください。
と、公式サイトの下部には赤字で注意書きがありました。
inゼリーは子供への摂取は推奨されていないようです。
6.まとめ
今回の記事の要点をまとめます。
- 離乳食が終わった子が補助食品としてカロリーメイトゼリーを摂取するのはOK(公式回答より)
- ただし5歳までは平均1日1パックまで
- カロリーメイトゼリーを摂取した日は、フォローアップミルクの量に気をつける。(参考: ぐんぐんなら400cc/dayまで)
- その他ビタミンAを多く含む食品やサプリにも注意する
- inゼリーは子供には使用しないほうがよい
以上です。
この記事がこれを読んだ方のお役に立てるといいなと思います。
搾乳機のこと
私自身が使っていた搾乳機のことについて話をまとめようと思います。
実際に使用していたもの
実際に使用していた編成は、以下のとおりです
- メデラ 電動 スイング(片乳ver.):中古で購入
- メデラパーソナルフィットフレックス:乳に当たるパーツ。ちょうど新型が出たときだったのでこのパーツだけ買い直しました。
- メデラ ニップルシールド M:これ無しで直接授乳はほぼ無理でした。
- 乳首に塗るもの:なんか適当に塗ってました(馬油とか)
- メデラ 電子レンジ消毒キット:外出先に備えて買っておいた消毒セット。実際にはあまり使いませんでしたがあると安心。
- ピジョンの母乳実感:最終的には子供の離乳が1歳過ぎになったので、ざぶざぶ雑に食洗機で洗える構造&かなり高月齢までラインナップが揃っている母乳実感でよかったと思っています。
- 西松屋の哺乳瓶:とにかく量を揃えて順次食洗機で洗う方式にしていたので、瓶だけでも安く済ませようと使ってました。実はピジョンと互換性があります。ただし、食洗機に入れたときの乾きの良さは母乳実感(本家)のほうが上です。
- 母乳パック:我が家は冷蔵保存をベースにしてストック&哺乳を行っていました。
- 他にも、授乳中に反対側の乳から漏れる母乳を拾い集めるカップとかいろいろ使ってました。
直接授乳の話
我が子の場合、体重が2600g台で生まれており、わりと小柄なほうでした。そのため口が小さく、相対的に私の乳首のサイズとうまく合致しませんでした。
直接授乳されるときに、ちょうど乳首の、乳輪と皮膚の境目くらいを噛んでもらえるとほぼ痛みがないのですが、そこよりも乳頭側を頻回に噛まれると、それはもうめちゃくちゃ痛くなります。しかし口が小さい子の場合、口を開けても乳首が入り切らないため、どうしても「痛くないところ」で飲むのが難しいようです。
そのような状況で役立つのが、「ニップルシールド」と「乳首に塗るやつ」です。なお、最初は乳首に塗るのだけで乗り切ろうとしましたが、無理でした。助産師さんには「ニップルシールドは最初のうちだけつかって、そのうち使わなくなるから(だからあまり依存しないように)」みたいなことを言われましたが、私にとってのその「そのうち」とは、子供が生後2ヶ月を過ぎてからでした。子供の体重が5.3kgを超えてからです。つまり倍です。
ちなみに、乳首と口のサイズのバランスがとれるまでの間は、一度シールド無しで直接授乳をすると、3日は子供に乳首を含ませられなくなるくらいの激痛が続きました。
なので私個人としては、「ニップルシールドは子供の体格や自分の乳首のサイズのサイズの相性で決まる」「時期が来るまではニップルシールド使っておいたほうがいい」「時々様子見でトライしてみてもいいのでは」という立場です。
で、じゃあ子供と乳首のサイズのバランスが取れてからは直接授乳でやっていたのかと言うと.......そうでもありません。
その頃には、搾乳機で搾っていた影響で、母乳の噴射圧が高くなりすぎてしまい、子供がむせて母乳を直接飲めなくなっていました。なので、それ以降も我が家では搾った母乳を哺乳瓶で飲ませていました。
特にうちの子の場合は、離乳の時期になってもむせやすい状況が続き(最もむせにくい形状のゼリーですらむせて咳き込み嘔吐してしまうほど)、離乳までに時間がかかったので、嚥下機能や口腔の形にも問題があったのかもしれません。
(素人の見る限りではありますが、小児歯科口腔の文献と見比べると、うちの子の硬口蓋の吸啜窩はやや深めに見えます)
搾乳の話
上記の通り、私は搾乳しないとやってられない側の人間でした。
- 子供と乳首のサイズが不一致
- とにかく乳首が激痛→口に含ませるほどさらに悪化するので耐えられない
- おっぱいは子供が泣くたびに張る
そのため、「傷ついた乳首でも母乳を搾り出す」「乳腺の圧を下げる」ためにも、搾乳をしていました。
最初のうちは手でやってましたが、あっという間に腱鞘炎になりました。なのですぐに電動を購入しています。
メデラを選んだ理由は、「産科でピジョンとメデラの手動タイプをそれぞれ貸してもらって、使ってみたときの吸い具合がメデラのほうがよかった」からです。
でも今でもメデラでよかったと思っています。公式ページなどはかなりしっかりしているのと、使いやすい新型の開発もきちんと考えていてくれるところが信頼できるなと思ってみています。
(正直、最近私の中でピジョンは『ベビーグッズ界のアイリスオーヤマ』のような存在に見えています)
手動か電動かについては、臨時で使うなら手動でもいいと思いますが、私のように直接授乳よりも搾ってる時間のほうが長くなるタイプの場合は電動を絶対におすすめします。片乳か両乳かは各個人のお好みと予算で決めたらよいと思います。
あとメデラは両乳ハンズフリーなブラジャーなども販売していますが、正直「搾乳中にハンズフリー」って無理だろうなと思っています。なぜなら、私自身搾乳中はずっと自分で乳をもんだり寄せたりしながら、適宜絞り出す乳腺を切り替えてまんべんなく搾っていたためです。ただ吸い出していると特定の出やすい乳腺からしか出てくれないので、固くしこりが残っているところもきちんと絞り出せるように両手で抑え込みながらやらないと、翌日そこだけ固く張ってきて痛むのです。(もしかするとそれが長期化すると乳腺炎になるのでは?と勝手に思ってますが根拠はありません)(幸い私は乳腺炎には一度もなりませんでした)。
直接授乳する人も、子供の「吸い残し」された乳腺の母乳が残っていたら、それを吸い出すために搾乳機を使うという手もあるかなと思います。子供を抱えながら乳腺もまんべんなくもみながら絞り出すのってなかなか難しいかと思うので......。
あと、乳に当たるパーツの形状はとても大事です。メデラの新型のパーソナルフィットフレックスはすごくいいですね。角度が鋭角から鈍角になり、乳に当てやすくなりました。そして縁がシリコンになったことで、搾るときに手が傷まなくなりました。いまでも日本の店頭では古いタイプ(プラスチックだけのもの)が販売されていることがありますが、通販なら新型を購入できますので、パーソナルフィットフレックスが付いてる方を購入することをおすすめします。
ちなみに、片乳だけ搾っているとオキシトシンの影響で反対側の乳からも母乳が滴ってくるので、母乳の出がそこまで良くなく、母乳が失われるもったいなさに耐えられなかった私は、反対側の乳にシリコン搾乳機を付けて使っていました。これはハンズフリーで使えるのでなかなか便利でした。縦抱き授乳ができるようになると、直接授乳しながら反対側の乳を搾ることもできるようになるようです。
なお、本家のメーカーはHaaKaaです。他のメーカー(国内メーカー含む)がこぞって類似品を出していますが、途中でボタッと落下するなどの事故が頻発し、最終的にはHaaKaaしか使わなくなりました。
HaaKaaは初乳の時期こそ使った方が、私は精神衛生上よかったです。痛い思いして泣きそうになりながら手で乳搾りしてなんとか絞り出した1滴1滴を頑張って集めてる時に、反対側の乳から反射で出て垂れていく母乳をただただガーゼで受け止めて捨てていくのが惜しすぎて悲しかったので。
初乳の頃は5ccや7cc搾り出すのもやっとだったので、それをこぼさずにとっておけるのはとてもよかったです。
飲ませていたもの
我が家では実際にどんなふうに授乳をしていたかというと
メイン:搾った母乳(可能な限りしぼりたてを飲ませていた)
その次は冷蔵母乳。冷蔵と保温については自分でデータをまとめたのでそれをもとに加温していた。
サブ :粉ミルク。キューブタイプが使いやすかったのでほほえみをつかってました。
臨時 :液体ミルク。非常用に備蓄しておき、また外出先でパパが授乳するときなどに使用していました。
我が家としては、母乳の免疫成分を大事にしたかったのと、災害対策としてミルクにも慣れてもらうために混合でやってました。特に我が家の場合はパパが育児に積極的に参加してくれたので、夫もあげやすいストック母乳や粉ミルクは育児の両立に役立ちました。
母乳の加温とデータについては別記事でまとめます。
それと、液体ミルクも粉ミルクも使っていました。ほほえみはその点メーカーが同じで味が一緒なので使いやすかったです。(子供によっては味が違うと飲まなくなることもあるそうなので)
液体ミルクは240cc入で、我が家で積極的に使えるようになったのは、こどもが一度に200cc以上飲むようになってからでした。それまでは半分以上残して廃棄することも多く、外出先でパパしかいないときなど、特殊な場面以外ではあまり使っていません。
特に子供が小さい時、一度に80ccや120ccしか飲まない頃は、20, 40cc刻みで調整できるキューブ粉ミルクがこまめに使いやすかったと思います。(それでも半分残されたりとかしましたが)
消毒
レンチンとかいろいろ使ってましたが、すぐに限界を迎えたので、食洗機を買い替えてそれで消毒ということにしました。子供が生後3ヶ月の頃に購入しています。
この食洗機の場合は「高温除菌」モードがついているので、それでよしということにしました。心配なうちは新生児の間だけでも丁寧に消毒してよいと思いますが、ある程度子供が大きくなったらこれで十分だと思います。なにせ母親の乳首は滅菌されてませんからね!
具体的には、哺乳瓶は4〜6本くらいストックし、常に2,3本はいつでも使える状態の哺乳瓶を用意しておき、まとめてジャバジャバ洗う方式にしてました。これにしてから夫婦のしんどさはかなり軽減し、「あっ、消毒忘れてた」という事故も減らせるようになりました。これはもう物量です。物量で解決すればなんとかなります。
ちなみにこんだけ本数ありましたが、哺乳瓶のプリントが擦り切れるくらいまで使いました。余らせることは全然なかったです。
あと搾乳機もまとめて食洗機でざぶざぶ洗えるように、2セット買ってローリングして使っていました。「あ、洗い忘れてた!」という事故が防がれるようになり、お互いが疲れていても余裕が持てるようになりました。
なお、外出先でも消毒ができるようにと一応対策として買っておいたものに、こんな商品があります。
積極的に使うことは有りませんでしたが、出先で「あっ、落とした!」などの事故が発生したときや、「すぐに家に帰れない」などのタイミングで、コンビニで哺乳瓶乳首の消毒ができたのは心強かったです。(出先で液体ミルク+乳首などを使用していると乳首だけでも消毒が必要になるので)。袋になっているので折りたためば小さくなり、携帯には困りませんでした。
あと、入院セットに入れておくと入院先で消毒ができるというのもいいですね。渡しの場合は入院セットにHaaKaaの搾乳機を入れておいたのですが、消毒キットを持ち込んでいなかったので使うことができませんでした。もしもこの消毒用レンチン袋とHaaKaaが両方手元にあったら、最初の初乳のときから母乳をこぼさず集めることができたのかなと思ったりしています。
とりあえずここまで
続きは後日書きます。
タンパク質おやき(洋風)のレシピ
タンパク質強化おやきレシピ第二弾。
今回は洋風の味付けにしてみました。
材料
【基本の材料】
- トマトジュース 200g
- 豚肉 200g (ブレンダーで豚こま肉を加熱してからペーストにするか、ひき肉が食べられるならひき肉を炒めます)
- 片栗粉 150g
- ぐんぐん 80g:フォローアップミルク、粉ミルクならなんでもOK
- ブイヨン 2本
我が家で使用しているのはこのアレルギー対応のブイヨンです。
【お好みで追加】
- 砂糖 6g (オリゴ糖などもおすすめ)
- 味の素
- オリーブオイル:焼くのに使います
- とうもろこし
- ツナ
- にんじん:カットもしくはフレーク
- かぼちゃ:カットもしくはフレーク
【味のレパートリー】
粉のルウを混ぜておくと味付けを変えることができます。
- シチュールウ→混ぜるとトマトシチュー味に
- カレールウ→混ぜるとトマトチーズカレー風味に(ミルク入なのでチーズ入りっぽいコクが出ます)
作り方
上記を混ぜて焼くだけです。
解凍方法などについては、前回のおやきのページをご確認ください。
栄養価
1食あたり60g、一日に120g食べるとすると、基本のレシピ材料の栄養価だけで計算すると、以下のようになります。(カッコ内は1歳児の一日摂取推奨量を占める%)
- タンパク質 18g(1日の90%分)
- ナイアシン 6mg(1日の120%)
- パントテン酸 1.3mg(45%)
- ビタミンB1 0.7mg(146%)
- ビタミンB6 0.4mg(82%)
- ビタミンB12 0.6µg(69%)
- カリウム 405%(45%)
- セレン 20µg(198%)
前回のぶたじゃこおやきほどカルシウムやビタミンKはカバーできていませんが、さすが豚肉ですね。ビタミンB系がしっかり取れてます。
味は今回も美味しいです。子供もパクパクたべてくれました。
「光脱毛器を買え」という話
今回は子育てよりも少し離れた話かもしれません。
もしくはこれから思春期を迎えるお子さんを育てる方々には参考になる話かもしれません。
結論はこうです。
「自分に自信がない子や、美しくなりたいと思ってるわけじゃない子ほど、家庭用光脱毛器を買え」
という話をします。
- 1. カミソリと戦っていた思春期
- 2. 自信を失っていた予備校時代
- 3. 通販ができるようになった大学時代
- 4. 光脱毛器との相性
- 5. 購入した機材
- 6. 思春期こそ脱毛してほしい
- 【家庭用光脱毛器のメリット】
- おまけ - 具体的な毛の変化(写真あり)
1. カミソリと戦っていた思春期
まずは私自身の話をしましょう。私は東北の生まれで比較的色白、毛質は黒髪ストレートで、そして剛毛でした。そんな自分が中学校に入学すると、スカートで通学することになります。思春期を迎えホルモンの変化に伴い体毛が濃くなるにつれて、もともと色白の肌に黒いすね毛が生えてくる様は、それはそれは目立っていたのでした。
人並みに真似をしてカミソリで剃ってみますが、いわゆる順剃り(毛の流れに沿って剃ること)をしたところで、白い肌に黒い毛がぷつぷつと残ります。それが嫌でやはり深剃りをしようと逆剃り(毛の流れに逆らって剃ること)をして、ようやく「つるつる」の肌になります。けれど肌が薄く弱い私は、どんなにアフターケアをしても絶対に乾燥して剃り跡が痛痒くなり、結果的にかきむしってしまうのでした。
翌日にはまた毛が生えてきます。早いときは夜に剃っても朝にはチクチクしていたものです。つんつんと目立つ生えかけのすね毛を剃ろうとしても、かきむしった傷跡とともに剃ることになるために、また肌が荒れてしまいます。いくら保湿をしても、ちょっと高めのシェーバーを使っても、それはなかなか改善しませんでした。
スネでその有様でしたから、脇毛はもっとひどい状況でした。剃ったところで青ひげ状態、一日剃り忘れた日には悲惨なもので、腕毛も含めて隠そうとするようになりました。夏の私の格好といえば、暑くても長袖、スカートは可能な限り下ろすか、長めのハイソックスを履き、夏でも長いジャージを履いていました。
私の肌が健やかでいられたのは、頻繁に剃らずに済むタイツを履いている冬の間だけでした。
2. 自信を失っていた予備校時代
田舎の小さな街から、受験浪人で政令指定都市の寮に移り住み、一人暮らしが始まりました。その頃の私といえば「オーバーサイズの服」「夏でも長袖長ズボン」でした。それでもムダ毛との戦いは続いていました。気まぐれに脇毛を毛抜きで抜いてみては、途方も無い戦いに嘆息し、そのたびに諦めていたものです。
そして外では、田舎にはないマツモトキヨシの店舗を物色しては、自分の毛との戦いを終わらせてくれる製品を求めてさまよいました。
「カミソリを当てずに済むなら」と除毛クリームを試しましたが、結局順剃りしたときと同程度の黒い毛が残るばかりでした。
「剃らなくても、せめて色さえ薄くなれば」と脱色剤を試しましたが、薬剤に肌が負けました。
「毛根さえなくなれば」と電動毛抜き機も奮発して買いましたが、ただただ激痛に襲われるだけでした。もちろん、ブラジリアンワックスにも耐えきれませんでした。
結局自分にあう解決策は、「間隔を空けて、時々剃る」「中途半端に生えてても、肌が弱ってるときは隠して過ごす」という選択肢しかなかったのです。
「日焼けすれば肌の色も黒くなって目立たなくなるだろうか」と思っていた時期もありましたが、日頃から長袖では焼けるはずもなく、ただ紫外線に負けて皮膚が赤らむばかりでした。
そんな頃だったでしょうか。見かねた親から「脱毛サロンとか行ってみる?」と言われたことを覚えています。けれどその頃の私はすっかり自信喪失しており、「あれは美人な子がもっときれいになるために行くところだ」「私のようなものが行く場所なんかじゃない」「脇だけ毛がなくなっても意味がない」「そんな高額を体のパーツごとにかける余裕なんかない」と、辞退したのでした。
3. 通販ができるようになった大学時代
大学生になり、自分の銀行口座が自由に使えるようになりました。まだまだ毛との戦いは終わっていませんでしたが、「この際だ!!」と大枚(当時5万円)をはたき、家庭用光脱毛器を購入しました。その時の私の思いはただ一つでした。「無毛になれなくてもいい。せめて、見える範囲の毛が細くなってほしい。」と。
そうしてようやく手に入れた光脱毛器で、毛根を焼き殺す勢いで(やけどはしないように気をつけながら)セルフ脱毛を始めたのです。脇も、腕も、すねも、ひたすら毛を焼き続けました。
結果は、大成功です。無毛とまでは行きませんでしたが、「剃ったら剃り跡がわからなくなる」くらいの細い産毛に変化させることに成功しました。
これ以降、ようやく私は「季節に合わせて肌を露出する服」を着られるようになりました。
4. 光脱毛器との相性
「色白、黒髪、剛毛」
この3つの要素が、光脱毛器のしくみと相性がとても良かったのです。
詳細については割愛しますが、光脱毛器は、「肌の中の黒い色」を検出してそこに向かって光を当てて、焼き殺します。そのため、コントラストが高いほうが効果が出やすいのです。
その分、「毛が太く濃いときはよく効果が出るが、毛が薄くなってくると効果が出にくくなる」とも言えるため、ツルツルの無毛を目指すことは難しいかなとも感じています(根気よくやり続けると叶うのかもしれませんが、私は途中で必要十分なレベルに達したので諦めました)。
あと、顔の口ひげなどは「目に光を当てずにセルフで照射する」のが難しかったため、挑戦できていません。専用のサングラスを使用したり、だれかに手伝ってもらうと可能かもしれません。
5. 購入した機材
私が購入したのは、家庭用脱毛器LAVIEという製品です。この商品を買え!というより、IPLフラッシュ光脱毛にある程度効果があるのだろうと思っています。
他にもレーザータイプの脱毛機も買ってみていますが、そちらはあまり効果を感じていません。私個人がおすすめするなら上記の商品を勧めます。
6. 思春期こそ脱毛してほしい
私は思うのです。思春期に肌のコントロールに困っている子ほど脱毛をしてほしいと。サロンに通えるならそれでもいいですが、それに通う勇気もなく、そして気になる部位が一箇所だけでないのなら、ぜひ、家庭での光脱毛を試みてほしい。
それは「きれいな私、デビュー!」なんていう、華々しいメッセージと共になくてもいいのです。自分の肌の負担を下げる、自分の負荷を減らす。そういう動機から挑戦してみてほしいのです。
【家庭用光脱毛器のメリット】
- 全身どこでも買い切り価格で当て放題(カートリッジは消耗したら交換が必要です)
- 適切な季節に適切な服を着ることができる(半袖も、ノースリーブも、半ズボンも着られる)
- 不適切な服装で体調を崩す頻度が減る
- カミソリに負けて血を流す頻度を減らせる
- 傷跡があるところにさらにカミソリを当てなくて良い
- 水泳やスポーツなどへの参加に積極的になれる。自分の体の動きのなかで「脇が見えてしまうこと」への心配をしなくていい
- 脱毛サロンのある街に通わなくても良い(田舎であるほどこのメリットは大きいと思います)
つまり脱毛は、「自由」と「健康」を買うことができる投資なんです。「美」よりもそっちのほうがずっと大事だと私は思います。「美」はついでについてくるものだと思うのです。
また、思春期からは話が逸れますが、「産前に光脱毛したけど妊娠で毛が濃くなってしまった!」という場合でも、また光脱毛を当てれば薄くなってくれるので、そういう意味でも家庭用光脱毛はとても便利です。
ですので、脱毛をご検討中の方はご参考にしていただければと思います。
おまけ - 具体的な毛の変化(写真あり)
ここからは写真を載せますが、正確なビフォーの写真は残っていないため、同程度の濃さの毛の部位の写真を挙げながら説明しようと思います。
これが私の髪色、肌色、眉の濃さのサンプルです。すっぴんです。肌色は照明の関係もありそんなに白く見えないかもしれませんが、「毛とのコントラストの差」で見ていただければと思います。
だいたいこの眉と同じくらいの濃さ〜もう少し髪に近いくらいの濃さで、脇毛が生えていました。
もう一枚の写真はもみあげです。すね毛はだいたいこのもみあげの薄いところくらいの濃さのものが生えていました。
......どれだけ剃り跡が目立っていたか、お察しいただけるかと思います。
では、以下に実際の現在の私のムダ毛の写真を載せます。
気になる方はスクロールしてください
※未処理の状態ですので、見苦しい方は避けていいただいて大丈夫です。
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2歳からの自転車選び(我が家の場合)
2歳のお誕生日プレゼントとして、2歳から乗れる自転車(キックバイク含む)についていろいろ調べてみましたが、沼が深すぎたので別記事でまとめることにしました。
1.我が家の条件
まず我が家において自転車(キックバイク含む)に対して求めているものを挙げると、
- 2歳から乗れるタイプがいい=12インチ
- ブレーキがついているものがいい
- キックバイクから自転車(ペダル漕ぎ)に変更するにあたり、車体の扱いに慣れたものでやりたい=今まで使っていたものにペダルが装着できるタイプがいい
- 車体が倒れても自分で起こすことができる=できるだけ軽い車体
- 子供にとって自由に移動できる手段として自転車をマスターしてほしい
という条件になります。
そのため今回の記事では、12インチの自転車(キックバイク含む)について比較していきます。
2. 現在販売されている12インチの比較表
見つけられた範囲内の商品についてスペックを比較してみました。我が家の場合は「ペダルを取り付けられること」を重視していたため、下ふたつを強調しています。
今回はこの5種類についてまとめようと思います。
3. 詳細
各商品について調べてわかったことを書いてみます。一部は以前書いたブログから持ってきてます。
(1)ストライダー
一番有名所の「ストライダー」。普及率が高く、またとにかく軽いのが強み。
ですが、ハンドルがぐるぐるか360度回転してしまうところや、ブレーキが付いていない点から我が家としては却下となりました。ストライダーの基本構想はおそらくBMXの自転車に近いと思われ、かつてのユーザーについてもそうした声をメインにピックアップしているようです。YOUTUBEではBMXにつながるような乗り回し方についての指導動画なども紹介されていました。
そのため、私達のような「いずれは街乗りできるように」という想定とは異なった商品と考えました。
(2)D-Bike KIX
もう一つ別なブランドとして、D-Bike KIXという商品も候補に挙がりました。こちらも12インチでその上ブレーキが装着されており、またペダリングの練習のために足台が着いていることもポイントが高かったです。
しかしこのD-Bikeシリーズでペダルを装着できるのは14インチのマスタープラスからになります。2歳から乗るには大きすぎ、また重すぎるとも考えました。
※なお調べてわかったのですが、D-Bikeも以前は12inchのペダル取付可能な「D-Bike MASTER 12 EZB」という商品があったそうなのですが、こちらは生産終了となったそうです。
※12inchに関してはペダル装着をしない方針とし、キックバイクとして極める方針にしたのかもしれません。
(3)スパーキー
お子さんを某有名キックバイクに乗せて遊ばせていたお父さんが開発したという商品。改造を積み重ねるうちにこだわりが出てきて商品化につながったそうです。
こちらも会社のコンセプトとして「ペダルはつけない」「大きくなってからでOK」という方針なようで、ペダルシステムはありません。
ブレーキやエアタイヤにこだわるなど、乗り心地にこだわっている商品のようです。
(4)ケッターサイクル
子供向け自転車メーカーのPeopleが出している商品。自転車メーカーが作っているだけあって、両輪ブレーキがあったり、サドルやハンドルの高さを伸ばすことで長く乗り続けられるマルチアジャスト機能などが充実しています。
判明している範囲ではサドル高の調整幅が最大であり、その分長く乗れると宣伝しています。しかしサドル高の一番下が最も高い商品でもあるため、股下の長さについて考慮すると対象年齢が他の商品より高めとも言えます。
成長に合わせてハンドルやサドルを伸ばすと相対的に車輪が小さくなってしまいますが、それでも違和感なくミニベロのようにおしゃれに乗り回せるシティサイクル風のデザインとなっています。
公式でも「背筋を伸ばして視界を広く」という乗車スタイルを推していることから、シティサイクル風(≒ママチャリ風)の乗り方を推奨していると考えてよいでしょう。
(5)へんしんバイク2
バランスバイク + ぺダルシステム一式セット 22,000円(税込)
こちらの会社はこれ一本でやってきているようです。私としてはケッターサイクルとへんしんバイク2でかなり悩みましたが(おしゃれさではケッターサイクルがいいとも思いました)、夫の考えが決め手となりました。
夫の中でポイントが高かったのが
- エアタイヤであること:重くなりパンクのリスクもあるが、クッション性がよくなること。また、タイヤの管理に関して夫は自信があること(夫はバイクや自転車の趣味があります)
- サドル下限が低い:ケッターサイクルとへんしんバイク2では2cmの差ではありますが、へんしんバイク2のほうがより低年齢から始めやすいと思われます。
- ボディデザインがマウンテンバイク風:シティサイクル風のケッターサイクルと異なり、マウンテンバイクなどのデザインに近い山なり(上に凸で高重心)のデザイン。「曲がりやすさにも影響するのでは?」と夫は考えています。マウンテンバイクのように野山で遊ぶことを想定した文章も公式サイトに記載があります。
- カラーバリエーションが豊富:ケッターサイクルの12インチは白1色のみです。
- 5歳まで乗れたら十分:下の子(予定)との年齢差を考慮すると、6歳になる頃には上の子に新しい自転車が必要になっている&下の子へのお下がりとして丁度いいとおもわれるため。
- うちの子は「またがる」ことがもうできる:1歳半の時点で高さ27cmのロディに一人でまたがって遊ぶことができているため、高さのある自転車にまたがるのもできそう。
というわけで、我が家が最終的に選んだのは、「へんしんバイク2」になりました。10年ぶりにモデルチェンジをしたそうなので、そこも気になるポイントですね。
4. まとめ
我が家の場合は、我が子の年齢や身体能力も込みで判断して「へんしんバイク2」にすることにしました。けれど他のご家庭の場合は、たとえば「3歳から」を考慮していたり、街の中でしか乗らないことを想定しているのであれば、ケッターサイクルのほうが向いている、という場合もあるかもしれません。また、エアタイヤの管理(パンク予防剤の利用、バルブ交換、乗車前の空気圧チェック)に自信がないご家庭ではパンクレスタイヤの利用を強くおすすめします。
各ご家庭の事情に合わせてえらんでみてください。
タンパク質の扱いについて
さて、今回はちょっとセンシティブな話をしようかと思います。
その内容はズバリ、「低年齢の子とプロテインパウダー」の話です。
「え、そんなん駄目に決まってるはずでは?」
って思いますよね。とっさに。まあ基本的には駄目ってことになってると思います。私もそう言っといたほうがいいと思ってる。基本的には使用禁止にしといたほうがいいと思う。
でも今回は、「何がいけないのか」について、真面目に向き合ってみようと思います。
1. そもそもプロテインって何?
プロテイン、直訳すればタンパク質ですね。でも日本語の中で「プロテイン」といったら一般的にはプロテインパウダーを指すことが多いかと思います。
プロテインパウダーといえば、ベースは何かしらのタンパク質(ミルク由来、大豆由来など)で、そこに適宜ビタミン・ミネラルが追加されていたり、飲みやすいように味や成分が調整されてる商品ですよね。なので、たいてい販売されているものは混ぜものになってます。
たとえば我が家でヘビーユースしてるプロテインパウダーはこちら。
こちらの場合は、以下のような成分が入っているそうです。
(マッスルフィットプロテインプラス・プロテイン | 森永製菓 森永ダイレクトストア より引用)
このように、「プロテインパウダー」と一口に言っても、様々な栄養成分が付加されている食品です。
その一方で、純粋に「タンパク質」成分だけで構成されているプロテインパウダーも販売されています。たとえば我が家で使用していたのはこちら。
原材料は「乳清たんぱく濃縮物(乳成分を含む) 」のみです。他には(表記が必要なくらいの量のものは)なにも入っていないようです。こういうプロテインパウダーの商品もあります。
なお乳清というのはつまりホエイのことです。ホエイの他にはカゼインという別のタンパク質のみでできているプロテインパウダーも販売されていたります(それぞれで効果が異なります)。
2. 粉ミルクの成分について
では、プロテインパウダーのなかのタンパク質についてある程度知識がついたところで、粉ミルクの成分について見てみましょう。
我が家で使用していたのはこちらの粉ミルクです。
こちらの商品の原材料名を見てみますと、
乳糖(アメリカ製造)、調整食用油脂(豚脂分別油、大豆白絞油、パーム核油、精製魚油、アラキドン酸含有油脂)、乳清たんぱく質、カルシウムカゼイネート、フラクトオリゴ糖、バターミルク、デキストリン、脱脂粉乳、食塩、酵母/リン酸Ca、塩化Mg、炭酸Ca、塩化K、炭酸K、V.C、イノシトール、コレステロール、タウリン、ピロリン酸鉄、塩化Ca、硫酸亜鉛、シチジル酸Na、V.E、パントテン酸Ca、ウリジル酸Na、L-カルニチン、ナイアシン、イノシン酸Na、グアニル酸Na、5'-AMP、硫酸銅、V.B1、V.A、V.B6、V.B2、カロテン、葉酸、ビオチン、V.K、V.D、V.B12
明治ほほえみ らくらくキューブ 1296g(27g×48袋)(特大箱) | 粉ミルク・液体ミルク | 株式会社 明治 - Meiji Co., Ltd. より引用
ご覧の通り、「乳清たんぱく質」が含まれていますね。
ちなみにフォローアップミルクも我が家では使用しています。
こちらの原材料についても見てみますと、
フォローアップミルク ぐんぐん|商品情報|離乳食、粉ミルク、ベビーフードの和光堂
となっております。こちらも「たんぱく質濃縮ホエイパウダー」としっかり書かれていますね。
つまり、赤ちゃんが口にすることを推奨されている食品には、そもそもホエイプロテインが含まれている、と言えるわけです。なので、「赤ちゃんはホエイプロテインを一切口にしてはいけない」というわけではない、と思われます。
3. 子供向けプロテイン商品について
日本でも実は子供向けプロテインパウダー製品が販売されています。たとえば
ザバスのほうでは「運動する10〜15歳」を想定しているようです。
ウィダーのほうは「小中学生におすすめ」という記載もあります。
こちらの小児科医監修の記事では、
The short answer for whether protein powder is safe for kids is: It depends.
と、「場合による」と記載されていますね。ほとんどの子どもたちであればタンパク質は普通の食事で十分な量を摂取できるので過剰な摂取は不要、しかしヴィーガンなどの場合では摂取が必要、といった表現をしています。
過剰に摂取すると体に悪影響がある(腎臓に負担がかかる)などの記載もみられました。
4. 子供に必要なタンパク質摂取量
「ほとんどの子どもたちであればタンパク質は普通の食事で摂取できる」、とは言いますが、では、子供に必要な量のタンパク質ってどのくらいの量になるのでしょうか。
これについては以前、「高タンパク質おやき」のときにまとめましたので、そちらから引用します。
こちらの「2 対象特性 乳児・幼児」の、397ページからの表を参考にしています。
こちらを参照すると、タンパク質の「推奨量」だけ見ても、
0-5ヶ月は10 g/day
6-8ヶ月は15 g/day
9-11ヶ月は25g/day
1-2歳は20 g/day
3-5歳は25 g/day
と記載されています。
この量をきちんと食事で摂ろうとすると大人でもなかなか大変で、例えば1日で20gぶんのタンパク質を摂るとすると、食材ごとで例えると
たまご:Mサイズ(50g)を3個
鶏ささみ:87g
絹ごし豆腐:1丁(400g)
納豆:3パック(120g)
ツナ缶:1缶(80g)
ぐらいになります。この量は1日で食べきれなくはないけど、これを毎日続けるのってなかなか大変だろうなと私は思います。
なお、各食材の栄養価については、以下のサイトのデータを参考にしました。
結構な量じゃないですか?!例えば1食に100gくらいしか食べない子供に、400gぶんのお豆腐を一日で食べさせるのって相当大変だと思いますよ。豆腐だけでお腹いっぱいになるんじゃないか、ってくらい。
そのうえ、この問題の大変な点は、いわゆる「日本で推奨されている離乳食」のペースで食べさせてたら全然クリアできないというところです。
たとえばこちらの和光堂さんのベビーフードですが、こちら130g入っていて、この中のタンパク質量は「2.0g」です。一袋あたりの量ですよ?1食でとれるタンパク質が2.0gしかないんです。理想的なタンパク質摂取量を守ろうとしたら、残りの18gを副菜か朝晩で摂らないといけないことになります。
ただしこれは別に和光堂さんが悪いとかそういう話ではなく、日本で一般的に広まっている離乳食の基準が、「ゆるいお米のお粥」と「柔らかくした野菜」がベースになっていて、申し訳程度の豆腐やしらすや納豆くらいしか入れないという文化がベースになっていることが原因と思われます。
和光堂さんに限らず、理想の離乳食とされているものをレシピどおりに作っていたらこうなってしまいがち、という状況があるのだと思います。
(2021.9.21追記)
ではフォローアップミルクはどうでしょう?体にいい成分がまんべんなく摂れる気がしますよね。
しかし成分表を確認しますと、以下のとおりです。
- 和光堂 ぐんぐん タンパク質14.3g(100gあたり)
- 明治 ステップ タンパク質11.1g(100gあたり)
- グリコ アイクレオ フォローアップミルク タンパク質15.5g(100gあたり)
- 森永 チルミル タンパク質14.0g(100gあたり)
- 雪印ビーンスターク つよいこ タンパク質11.5g(100gあたり)
- 雪印メグミルク たっち タンパク質14.5g(100gあたり)
100gあたりでこの量なんです。100cc分ではありません。
ぐんぐんを公式の濃度で薄めた場合、粉100g分はミルク700cc分に相当します。
フォローアップミルクを一日に700cc飲んでも、タンパク質が多くて11〜14gしか摂れないということになります。
フォローアップミルクはビタミン・ミネラルについては心強い手段ですが、タンパク質についてはそこまで強い存在とは言えないかもしれません。
5. プロテインパウダー使用の注意点
ここから先の内容は私の推測になるため、断言はできません。しかし上記の情報をもとに私が考えていることを以下に記載します。
(1)「小さい子にプロテインパウダーは駄目」って言っておかないと、粉ミルク扱いする人が出てくる
タンパク質は体の成長に必要です。けれど摂りすぎれば体の負担になります。未成熟な体を持っている子供や赤ちゃんではなおのことでしょう。そんな中で、「プロテインパウダーは禁止されてないから」って事になっていたら、「じゃあ大人が飲んでるプロテインパウダーでよくない?まとめ買いできるし体にいいし」と考える人が出てきても不思議ではありません。「摂れば摂るだけ体にいい」と考える人もいるかもしれません。
栄養成分や濃度、味の調整のために含まれているものなど、おそらくは子供の臓器では対応しきれない成分なども、大人用の商品には多々含まれていることでしょう。そのような可能性を排除するためにも、一律で「だめ」ということにしておいたほうが良いのでは?と思います。
......ただ、今回の記事を書くに当たりそれなりに検索してみましたが、明確に「プロテインパウダーは赤ちゃん/小さい子にあげてはいけない」と記載している公式の記事は見つけられませんでした。「基本的には駄目だろう」というなんとなーくの感覚が共有されてるだけなのかもしれません。
(2)大人のように飲むのではなく、食材として取り入れるのはアリかもしれない
大人が飲む場合は何らかの液体でシェイクして一気にガッと飲み干すスタイルがメジャーなわけですが、小さな子どもにそれをやると、急激に大量のタンパク質を摂取することになるでしょう。そのような摂り方では、臓器への負担も出ると想像できます。
ですので私自身としては、純粋なプロテインパウダーを「食材の一種」として扱えばよいのではないか、と考えています。なぜならすでに記載したように、赤ちゃんの時点ですでに食事の一部の中にホエイプロテインが含まれたものを摂取しているからです。そして使用する際は、推奨量の上限を意識して量を調整し使用する必要があると考えます。
たとえば1日に20gのタンパク質を定期的に摂取することを考えた場合、上で紹介したアルプロンのホエイプロテインパウダーで摂ろうとすると、
20gあたりタンパク質16.3g→タンパク質20gを摂取するには24.5g必要
と計算できます。1日にプロテインパウダーを24.5g分、つまり朝8g, 昼8g, 夜8gずつ食事やおやつに混ぜ込むことができれば、推奨レベルのタンパク質を毎日摂取させてあげられるわけです(粉ミルクやフォローアップミルクを使用している方は、そこに含まれている量を差し引いて計算してください)。
もちろん、毎食プロテインパウダーである必要はなく、どこか1食は別な食材からタンパク質を摂取するほうが理想的でしょう(食材ならばタンパク質以外の微量の他の栄養素も一緒に摂ることができます)。
けれど、「毎食タンパク質を含む食材を調理しなければいけない」というストレスから開放され、「どこか1食は手を抜ける」と考えてみれば、それはとても心強い手段になるのではないでしょうか。
特に我が家の場合は、卵アレルギーがあるため卵を使用することができず、また肉についてはパサツキが苦手でブレンダーで柔らかくしなければ食べられないという影響もあるため、手軽にタンパク質量を追加できる手段が必須でした。
いずれ、プロテインパウダーを用いた子供向けパンケーキレシピも紹介しようと思います。
5. まとめ
というわけで、私が考えた「プロテインパウダーを使ってもいい理由」についてまとめてみました。私が今後公開するレシピについて疑問を持った方に読んでもらうつもりで書いてます。
私自身はあくまで「混ぜ物のない純プロテインを使用し」「量を調整して適切な量の範囲内でなら」使っても問題はないのでは、と考えている立場です。ですので、「子供のためのタンパク質の調理がつらい〜〜〜!」と悩んでいる方の助けになればいいなと思っています。
[追記]2022/4/13
プロテインを使用したおやつのレシピを公開しました。